どうして相手を絞り込むほど、
目標達成しやすくなるのか?

 よく言われることですが、誰に向かって文章を書くのかを明確にすると、文章が書きやすくなります。

 私は、ビジネスで文章を書くときに、「具体的なひとりのお客さんを設定して、その人に響くように書きましょう」と、クライアントにアドバイスします。

 すると、たいていの方は、ひとりに絞り込むことができなかったり、書き進めていくうちに、顧客像がブレていきます。

 これも、多くの人がハマってしまう落とし穴です。
 私も長年、この落とし穴から抜け出せずにいました。

 なぜ、対象をひとりに絞り込むことができないのか?

 その答えはカンタンです。ひと言でいうと「恐怖」。
 絞り込むということは、それ以外を「排除」する感じがして、怖くて絞り込めないのです。

 Aさんにも、Bさんにも、Cさんにも、全員に買ってもらいたいから、Aさんだけに絞る、Bさんだけに絞る、Cさんだけに絞る、なんてことはできません。
 だって、絞り込んだら、売上が下がってしまうじゃないですか!
 全員に響くようにはできませんか?というわけです。

 全員に向けて文章を書くことはできます。
 しかし、そうすると文章の力は弱くなります。
 もちろん、絞り込むことで、購入対象から外れる人も出てきます。
 しかし、ココだけの話、実際には、反応率は高くなります。

 絞り込んだら損をした気分になるかもしれませんが、目指すべきは損をしないことではなく、ゴールを達成することです。

 対象を絞り込めば込むほど、文章は書きやすくなり、絞り込んだ明確なメッセージが、絞り込んだ対象はもちろん、その周辺の人の成約率も高くしますので、結果的にゴール達成を引き寄せます。

 では、絞り込みの恐怖をなくす3ステップをお伝えします。

1.文章の【ゴール】を設定する
例)メールマガジンで、商品を100個販売する

2.メインターゲットとして対象をひとりに絞り込む
例)Aさん(具体的な特定の1人)

3.「2」の人が購入するとしたら、「1」の【ゴール】を達成できそうかイメージする
例)Aさんが購入するなら100個売れるだろうか?と考える

「3」の答えが、YESであれば、感覚的な怖さは軽減され、絞り込めば絞り込むほど、ゴールを達成しやすくなります。

 先ほどの小学生たちは、

1.ゴール:2022年に読み返す、未来の自分への文集を書こう!
2.対象:2022年の自分

 として、先生を驚かせる卒業文集を喜んで書くようになりました。
 ゴールを達成できたかは、10年後の彼らに聞いてみたいと思います。

 あなたも、ラブレターでも、ビジネスの文章でも、書き始める前にゴールを設定し、あなたの熱い想いを伝えたい相手を絞り込んで文章を書いてみてください。

 きっと、あなたの文章が見違えるようになります。

次回は6月25日更新予定です。


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会 場: 東京 原宿 ダイヤモンド社本社ビル9F セミナールーム
     東京都渋谷区神宮前6-12-17⇒地図
参加費:一般18,900円(税込)、ダイヤモンド会員16,800円(税込)
(事前登録制)※ダイヤモンド会員には、ダイヤモンド社発行の各種定期購読者様、ダイヤモンド・オンライン会員様ダイヤモンド愛読者クラブ会員様をふくみます。
主 催: ダイヤモンド社
定 員: 30名予定
お問い合わせ先  ダイヤモンド社書籍編集局
電話 :03-5778-7294 (担当:中島)
E-mail:pbseminar@diamond.co.jp
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中野 巧(なかの・こう)
1976年生まれ。10年書き続けてきた独自の文章メソッドを1枚のチャートに結晶化し、エンパシーライティングを開発。エンパシーライティングは、いまやトヨタやソニー、三菱東京UFJ銀行、東芝、富士通、DeNAをはじめとする日本を代表する企業の社員や幹部が社内外で活用するだけではなく、一部の小学校の卒業文集や作文指導、都立高校の授業、大学教員の論文作成にまで活用されている。あの神田昌典氏も「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と評した新しい文章術。本書が初めての著書となる。