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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

「知りながら害をなすな」がプロの倫理

上田惇生
【第26回】 2007年12月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
マネジメント エッセンシャル版
ダイヤモンド社刊 2100円(本体)

 「マネジメントたるものはすべて、リーダー的地位にあるものの一員として、プロフェッショナルの倫理を要求される。 それはすでに、2500年前のギリシャの名医ヒポクラテスの誓いのなかにはっきり表現されている。知りながら害をなすな、である」(『エッセンシャル版マネジメント』)

 顧客となるものから、「プロたるものは知りながら害をなすことはない」と信じてもらえなければならない。これを信じられなければなにも信じられない。

 企業倫理なるものが企業に特別課されているかについては、大いに議論がある。企業の社会的責任なるものが、本業のほかに何を含むかについても、大いに議論がある。

 しかし、プロたるものは知りつつ害をなすことはないと確信できなければ、世の中というものが成立しないという。

 ウィルス入りということを知りつつ医師に血清を投与されたり、食品メーカーが食品製造機にカビを生やしていたのではたまらないからだ。

 「知りながら害をなすなの原則は、今日の社会的責任に関する宣言の類に見られる政治性に比べるならば、いたって平凡に思われる。もちろんこれは、医師たちにはずっと前からわかっているように、守ることの容易なものではない。そしてまさにこの平凡さが、知りながら害をなすなの原則をマネジメントの倫理、すなわち責任の倫理にとってふさわしいものとする」(『マネジメント』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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