筆頭株主の米国ファンド、サーベラスともめにもめていた西武ホールディングス(HD)の再上場にようやくめどがついた。1月15日、東京証券取引所に株式上場を申請、上場審査に2カ月、投資家に希望価格をヒアリングするブックビルディングに要する時間を勘案すると、早ければ4月にも上場が実現する。

昨年6月末の株主総会では、経営権をめぐりサーベラスと敵対関係にあったが、収束に向かいつつある
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 お互いの主張がぶつかり合い、再上場計画が凍結していたが、アベノミクス効果で足元の日経平均株価は1万5000円台を回復、サーベラスが西武HD株の追加取得を発表した昨年3月からは約4割も上昇している。好相場での株式放出で売却益を回収したいサーベラスと、早期の再上場を目指したい西武HDの思惑が一致した。

 今後の焦点は、売り出し価格になる。アナリストによると、「比較材料となる私鉄各社の株価には法則性がない」。それだけ売り出し価格の自由度が大きいといえるが、高値の売り出しを狙って需要との間に乖離があればそっぽを向かれる可能性がある。サーベラスが満足する価格に折り合うかが注目される。

東京五輪開催が追い風

 もっとも、西武HDに求められるのは、再上場後の継続的な成長戦略である。

 本業の鉄道事業は、2013年には好材料があった。東急東横線との相互直通運転が始まったことで、13年度上半期は、乗降人員がわずかだがプラスとなった。さらに、特急レッドアローのダイヤ改正を行い、朝の通勤時間帯に1本増発したことで、利用者数は6.2%と大幅に増えた。

 とはいえ、今後、沿線人口が減少していくという大きなトレンドは変わらない。