クレーム対応がますます困難になる中、担当者が心折れてしまうのは、クレーマーからの無理難題だけが原因ではない。周囲のサポートがないなど、組織のことなかれ主義や管理主義も担当者を孤立させる。行動原則その5は「組織戦」を提言する。

クレーマーには「弱者」のレッテルが貼られている

 現在、クレーム担当者が置かれている状況はとても厳しいものです。

 それはまず、攻撃するのはクレーマーで、対応する側は専守防衛だからです。

 一般にマスコミの論調や世論は、企業や行政機関、病院、学校などの「組織」に対して手厳しいといえるでしょう。ひとたび問題が起きれば、いっせいにバッシングに走る傾向があります。組織は社会性や公共性を意識している分、弱腰にならざるを得ません。

 その反面、クレーマーはモンスターと呼んでもいいような輩であっても、消費者、患者、生徒・父兄という「個人」であり、「弱者」というレッテルが貼られています。

 そこに、インターネットの登場です。一般市民は強力な情報発信の手段を手に入れ、強烈なプレッシャーを組織にかけることができるようになりました。