こうして、いわゆる抑止力や地政学的な根拠が破綻をしてしまっているのに、日本政府だけは今なお抑止力の話や、地政学的には尖閣諸島問題や中国の脅威を口実にして「だから沖縄になきゃいけない」と繰り返している。それは、いわゆる思考停止状態がそうさせているのでしょう。

 もう1つ、日本政府が引けないのは、これまでに日米同盟という形で辺野古移設を何度も約束しているからでしょう。つい最近岸田文雄外務大臣は「決意を持って進める」というような話をケリー国務長官としている。要するに何度も何度も「やりますよ、頑張ります」「続けています」とずっと言っている手前、自ら方向変換できなくなっている。引っ込みがつかなくなって、やっているだけではないでしょうか。

――市長は選挙で選ばれるわけですから、民意をどう行政に反映するのかが非常に重要になります。ただ、一方で政治的には最終的に妥協が必要な場面もあります。

「『政治は妥協の産物』という話もありますけど、やっぱり妥協できないものはできない」
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「政治は妥協の産物」という話もありますけど、妥協はできるものとそうでないものがあります。例えば、この辺野古の問題は、ここで一度妥協してしまうと100年も200年もずっと残り、取り返しがつかないんですよ。ですから、やっぱり妥協できないものはできないと強く申し上げていくしかありません。

――2月中旬には、ケネディ駐日大使と面会されましたね。どのようなお話をされましたか。また大使の反応はどうでしたか。

 ケネディ大使には、今回の選挙で私が再選されたことについて「選挙結果が市民の民意である。辺野古へ新基地を造ることはやめてほしい」と伝えました。また、絶滅危惧種のジュゴンやサンゴが生息する辺野古海域周辺の豊かな自然環境に加え、新基地の規模についてお伝えいたしました。大使から新基地についての言及はありませんでしたが辺野古の自然環境について非常に関心を持って聞いてもらったと思っています。

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「沖縄はもう基地の恩恵を受けてはいない」