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気になるあの人の才能の磨き方
【第1回】 2014年5月16日
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長谷川敦弥

羽生善治三冠インタビュー
「親の期待がなかったから強くなれた」

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結果や知識より
経験が力になる

長谷川 親御さんの良い意味での期待がなかったことや、ご自身が目標や勝敗という結果よりも、将棋を指すことに面白さを見出していた点。そしてそれらに出合い、才能を伸ばせる「環境」にも恵まれたという点。まさにこれからの教育を考えるのに大事なエッセンスがいっぱいありました。

羽生 今は情報化社会なので、何でも調べれば出てくると思います。ですがその一方で、いろいろ経験し、感じたり試行錯誤していく「プロセス」そのものにも大いに価値があると感じています。

長谷川 好奇心旺盛に、何でもやってみるということですね。

羽生 もちろん、それが「アフガニスタンに行ってみる」であれば、事前に知っておくべきリスクやとるべき対策もあるでしょう。何でも挑戦すればいいというわけでもないし、何でもリスクを取ればいいということではありません。ここまでだったら大丈夫とか、ここまではダメだというのを感覚的に知っておくことは何においても重要だと思います。変化が早い時代ですので、直接その経験が活かせるということは少ないと思うんです。ただし、その「プロセス」の中で得たことは、何らかの力になるのではないかと。

長谷川 超合理的な一手を追求する棋士の羽生さんが、「プロセス」に意味があるとおっしゃるのは意外でした。

羽生 将棋の世界も、情報は日々更新され、つい昨日まではタブーとされていた手がいまや勝つための常識、などということも日常茶飯事です。そういう中では「蓄積された情報」は、日々色あせていきます。むしろ、それをつかむまでの過程や、そこで培った複合的な力のほうが価値があると思います。

長谷川 才能を磨き、伸ばすためには、一見遠回りに見えるような「プロセス」を経験することが、変化の時代でも勝ち抜ける力となる。大変示唆に富むお話でした。ありがとうございます。

次回はサイバーエージェントの藤田晋社長にお話を伺います。6月20日更新予定です。

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    長谷川敦弥(はせがわ・あつみ) 

    1985年生まれ、岐阜県出身。名古屋大学理学部卒業。大学を休学し、ITベンチャー企業にて3年間インターンシップを経験。卒業後、2008年に障害者支援企業のウイングルに入社。入社後わずか1年3ヵ月、24歳で代表取締役社長に就任する。「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ「多様な教育機会と社会での活躍」というワンストップサービスを提供し、福祉、教育分野に変革を起こしている。「世界を変え、社員を幸せに」が理念。尊敬する人物は坂本龍馬、孫正義。


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