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現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書
【第10回】 2014年6月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
援川聡

“誠意のボーダーライン”を決めておこう
責任の所在がはっきりしないときのクレーム対処法

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商品やサービスを提供する側に不手際があれば、補償しなければならないが、状況が複雑で責任の所在がはっきりしない場合も多い。そういうときにどこまで補償すればよいか、ケースバイケースの「指針」を固めるためのポイントを提示する。

「じゃあ、誰が悪いのよ!」

 「昨日、カラーリングしてもらったけど、頭皮がかぶれてかゆい。ブツブツができて、腫れもある。どうすればいいの?」

 深田佳子は30歳を過ぎて、はじめて髪を染めた。美容室の鏡を見て、自分でも表情が明るくなったと満足した。

〈みんな、びっくりするかな?〉

 久しぶりにウキウキする気分だった。ところが数時間後、頭皮から首筋にかけてひどいかゆみが襲ってきた。しだいに、顔全体が腫れ上がってくる。

 翌日、深田は心配になって、美容室に電話をした。電話に出た若い美容師は、慌てた声で答えた。

 「すぐ病院に行ってください」

 深田は、ますます不安になって尋ねた。

 「病院? 原因はなんなの?」
「私たちではよくわかりません。アレルギーかもしれません」
「どういうこと?」
「薬液がお客様の体質に合わなかったとか……」

 相手のうろたえる様子が目に浮かんだ。

 「あなた、美容師でしょ、責任をとってちょうだい」
「でも、メーカーさんからもとくに注意するようには言われていないんで……」

 完全に逃げ腰だ。

 「じゃあ、誰が悪いのよ!」

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    援川聡 

     

    (株)エンゴシステム代表取締役。 1956年広島県生まれ。79年大阪府警察官に。95年に大手流通業に転職、元刑事の経験を生かしてトラブルや悪質なクレームの対応にあたる。その適切で確実な「解決術」は高い評価を受け、業界団体の講師を務めるほどに。2002年に独立し、(株)エンゴシステムを設立。豊富な現場経験と独自のノウハウをもとに、リアルタイムで企業はじめ医療機関、役所等をサポート。講演・セミナーは年間100回以上、新聞・雑誌への寄稿、テレビ出演も多数。たたき上げの警察官・刑事経験と、販売現場での実務経験の両方をもつ、クレーム対応の第一人者。 著書に『クレーム処理のプロが教える 断る技術』(幻冬舎)、『クレーマーの急所はここだ! 超プロがついに明かす どんな問題もすべて解決』(大和出版)、『理不尽な人に克つ方法』(小学館)など。

     


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