ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
宅森昭吉の景気の「気」を読む

巨人の交流戦優勝も先行きの明るさを示唆
非製造業と在庫に97年増税時と大きな違い

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]
【第11回】 2014年6月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

景気ウォッチャー調査でみると消費増税の影響は想定通り一過性の落ち込みにとどまりそうだ。前回1997年の増税時と比べ、非製造業の景況感と企業の在庫コントロールの面の2つで大きな違いがみられる。また、様々なデータでみて雇用は大きく改善している。身近なデータでもセ・パ交流戦を通して巨人がセリーグの首位に浮上したことなど、足もとの景気の明るさを示唆するものが多い。

景気ウォッチャーのDIでみる
消費増税前後の動き

 日本の景気は2012年11月を谷とする戦後の景気サイクルでは第16循環の拡張局面にある。4月の消費税率引き上げによる、いわゆる反動減も想定の範囲内におさまった模様だ。

 景気ウォッチャー調査で現状判断DI(方向性)をみると、駆け込み需要があった3月は57.9と、いざなみ景気(02年2月~07年10月)のピークだった06年3月57.3、アベノミクス効果への期待が高かった13年3月の57.3を上回る過去最高となった。また、現状水準判断DIは今年3月59.1で、過去最高だった06年3月の53.4を大きく上回った。

 消費税引き上げ月の4月になると、現状判断DIは41.6へと大きく低下した。また、現状水準判断DIも40.6まで低下した。しかし、これらの水準は第15循環の景気後退の最終局面に当たる12年10月の39.0、35.4という各々のDIの水準を上回った。落ち込みは急だが、それほど深刻でなかったと言えよう。その後5月分では各々のDIは45.1、44.3に持ち直した。

 2~3ヵ月先の景況の方向性を質問している先行き判断DIは今年3月34.7、4月50.3の後、5月は53.8にしっかり上昇している。景気判断の分岐点の50を上回った。分野業種ごとにみると、高水準の雇用を除いて5月の先行き判断のDIは全分野で現状判断DIを上回って、7~8月の景況が上向くことを示唆している(図表1参照)。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]

たくもり・あきよし/三井住友アセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト。1957年東京生まれ。1980年3月慶應義塾大学経済学部卒業、同年4月三井銀行(現、三井住友銀行)入行。調査部、市場営業部などを経て94年11月さくら証券チーフエコノミストに。2001年4月さくら投信投資顧問チーフエコノミスト、02年12月三井住友アセットマネジメント、チーフエコノミスト、12年4月1日より現職。主な著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)、「日本経済『悲観神話』はもういらない」(中央公論新社)など。内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員、日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査委員会」委員、景気循環学会・常務理事も務める。


宅森昭吉の景気の「気」を読む

景気を決めるものは何でしょうか。消費動向、企業の設備投資、海外の経済状況……。いろいろありますが、大切なのは景気の「気」。三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミストの宅森昭吉さんが、難しい経済指標だけではなく、プロ野球の日本シリーズの組み合わせ、ヒットしたテレビドラマ、天候などなど、社会の森羅万象の動きから、景気の現在とこれからを読み解きます。

「宅森昭吉の景気の「気」を読む」

⇒バックナンバー一覧