心理学者・アドラーの教えをわかりやすく説き40万部のベストセラーとなった『嫌われる勇気』。 一方、お笑いの世界でも近年、嫌われ芸人たちが大活躍している。ゲスすぎる、ナルシスト、文化人気取り……色々なタイプの嫌われ芸人が、世間に後ろ指を指されながらも力強く芸能界をサバイブしている。どうすれば我々も「嫌われる勇気」を持つことができるのか? 彼らの生きざまから それを学んでみよう!
総合エンタテイメント雑誌『FLASHスペシャル2014盛夏号』とのコラボ企画である本連載の第4回は、ツイッターで燃え続ける炎上芸人、キングコングの西野亮廣さん。

悪口を言うのは
ガス抜きなんです

嫌われるよりも<br />好かれない方がコワイキングコング・西野亮廣(にしのあきひろ)
ツイッターで燃え続ける炎上芸人。1980年生まれ。兵庫県出身。1999年、梶原雄太と「キングコング」を結成。2009年に出版された『Dr.インクの星空キネマ』をはじめ、これまでに3冊の絵本を執筆している。舞台の脚本執筆も手がける。

 僕はデビューしたころからずっと嫌われてたんですよ。あのときはお笑いブームが起こるちょっと前だったので、自分たちより実力も才能もある先輩方がまだ世に出てないのに、デビュー1年めの僕らがパッと世に出ちゃったんです。だから、そのことで何かと嫉妬されたり嫌われたりしたんです。昨日今日嫌われ出した芸人じゃないんですよ(笑)。板についてるんです。だから結構(心臓の毛が)フサフサで、「アホか」とか「死ね」とか言われても全然平気なんですよ。

 ただ、ご理解いただきたいんですが、村本とか井上と違って、僕とか品川(祐)さんは好かれたくて嫌われてますからね。自ら嫌われにいってるわけではなくて、天然で嫌われちゃうんですよ。だから解決策が自分でもわかってないんです。

 いや、よけいなこと言わないで黙ってりゃいいんだとは思うんですよ。それはわかってるんですけど、どうしても言いたくなる。僕が子どものころに見ていた芸人さんって、そういうのをちゃんと言ってくれていた気がするんです。そのころの僕は芸人さんを見て「ああ、よくぞ言ってくれた!」って思って、ガス抜きをしていたんですよね。