心理学者・アドラーの教えをわかりやすく説き40万部のベストセラーとなった『嫌われる勇気』。一方、お笑いの世界でも近年、嫌われ芸人たちが大活躍している。ゲスすぎる、ナルシスト、文化人気取り……色々なタイプの嫌われ 芸人が、世間に後ろ指を指されながらも力強く芸能界をサバイブしている。どうすれば我々も「嫌われる勇気」を持つことができるのか? 彼らの生きざまから それを学んでみよう!
総合エンタテイメント雑誌『FLASHスペシャル2014盛夏号』とのコラボ企画である本連載の第2回は、映画を撮り小説も書くマルチ芸人、品川庄司の品川祐さん。

いくら嫌われても
死ぬわけじゃない

品川庄司・品川祐(しながわ・ひろし)
映画を撮り小説を書くマルチ芸人。1972年生まれ。東京都出身。1995年、庄司智春と「品川庄司」を結成。2006年に出版された半自伝小説『ドロップ』はベストセラーになった。品川ヒロシ監督最新作『サンブンノイチ』DVD/Blu-rayがKADOKAWA書店/よしもとアール・アンド・シーより発売中。

 今も昔も、ふだん生活していて嫌われているっていう感覚はべつにないですね。でも、嫌われてもいいやと思ってるし、好かれようとする努力もしていないです。

 だいたい僕のことを嫌いなヤツは僕も嫌いなヤツ、っていうのが持論なんで。僕が好きなヤツって、相手も僕のことを好きだと思うんですよ。これはたぶん、誰にでも当てはまるルールじゃないかな。僕のことを嫌っている人は、自分にとって要らない人だからべつにいいや、って思いますね。

 でも、年取ると嫌われる現場も減ってきますよ。後輩に対しても、以前は「ナメられたくない」みたいな気持ちが強かったけど、今はそれなりに後輩もみんな礼儀正しいし、生意気な口きくヤツもいないし。だから、「丸くなった」って言われるけど、べつにそんなことないんですよ。今、昔と同じことをされたら、やっぱり同じようにキレるはず。取り巻く環境が変わっただけですから。