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部下の能力を120%引き出す「質問」の技術
【第8回】 2008年3月24日
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齋藤淳子 [(株)コーチ・エィ シニア・エグゼクティブコーチ]

忙しい時ほど、部下とこまめなコミュニケーションを

 部や課のリーダーシップをとらなければならない役割を担っているマネジャーは、日頃部下の育成、能力開発について頭を悩ませていることと思います。そうした悩みを解消するためのヒントを求めて、多くの方がコーチング・トレーニングに参加されていますが、必ずといっていいほど毎回よく出る話があります。

 「部下と話さなくてはならないのはわかっているのですが、時間がなくて」

 「朝から晩まで会議のハシゴをしていることが多いので、部下と話せないのです」

 つまり、多くのマネジャーが、部下とゆっくり話をする時間がないのでコミュニケーションがとれないというのです。

 本当にそうなのでしょうか。トレーニングで習ったコーチングスキルは、いつでも、どこでも使えるのです。どんなにすばらしい技法を習っても、それを使う状況を自らつくりださなければ身につきません。

 いつもだったら「あの案件、やったのか?」と聞くところを「どんなふうにやっているの?」と言いかえるだけでも、部下から返ってくる答えは変わります。「間に合うのか?」と質問するよりも、「いつできそうかな?」と質問するほうが、部下は考えて答えます。

 それだけのちょっとした工夫をする時間すら本当にとれないのでしょうか。

 短い、簡単なコミュニケーションであっても、量と頻度を増やすことが大切です。短いコミュニケーションでも、ちょっとしたスキルを使うことで質を変えることができます。簡単なやりとりであっても、それを積み重ねていくことで部下の反応が変わってきます。

 「いまどんなお客さんを抱えているの?」「何が一番の問題なの?」「本当は何をしたいと思っているの?」といった簡単な質問でいいのです。

 コミュニケーションの量が増えれば、お互いがどんな問題を抱えているのか、何を考えて行動しているのかを共有することができます。週に一度、1時間のミーティングを持つより、毎日5分間、短いコミュニケーションをとったほうがよいこともあるのです。

 忙しいからといって日頃のコミュニケーションを怠ってしまうと、何か問題が起きた時には、すべての事情や背景をゼロから部下に聞かなければなりません。これでは問題を解決するまでに長い時間が必要になります。

 忙しければ忙しいだけ、短い、こまめなコミュニケーションを日常的に交わしていたほうが、結果として問題を解決する時間は短くなるのではないでしょうか。寒い日には、エンジンを温めておけばすぐに走り出すことができますからね。

 「あのお客さんどうした?」「今日はどうだった?」など、話のきっかけは何でもよいのです。その時に部下の気持ちも聞いてみましょう。うれしかったのか、嫌だったのかといった部下のモチベーションに少しでもふれていくことができれば、コミュニケーションはさらにスムーズに進みます。

 いざという時に、説明は短くとも、すぐにいろいろな知恵を出し合えるコミュニケーションの密度の高いチームにしていきたいですね。行動は軽く、中身は濃く、です。

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齋藤淳子 [(株)コーチ・エィ シニア・エグゼクティブコーチ]

立教大学法学部卒。神戸製鋼を経て、1990年MSC(マネジメントサービスセンター)入社。数多くのリーダーシップ研修やコンサルティングを行う。1999年、(株)コーチ・トウェンティワン入社。2001年、(株)コーチ・エィへ。現在は、シニア・エグゼクティブコーチとして、上場企業を中心に経営者・管理職層へのトレーニング、および1対1のコーチングを実施。
コーチ・エィのホームページはこちら


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