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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

マレーシアの小1の宿題がグローバル過ぎてワロタw
「負け組組織の大人」にならないための練習問題

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第9回】 2014年9月17日
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日本にブラック組織がはびこる理由は
グローバル化の遅れと表裏一体?

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかに「勝てない」職場をつくり上げていくか、あるいはブラック組織のもととなっているか、心理学の研究をベースに解説している。

 先日、ビジネスコンサルタントの友人と「なぜ日本の組織はグローバル化に、こんなにも苦労しているのか」について話していた。その原因が言語にあるのは当然だが、それ以前に日本人のコミュニケ―ションスタイルや人事のあり方などについて、もっとグローバル化に則した改善ができるのではないかという話になった。

 グローバル化をいかにして進めるかは、今やある程度の規模の会社ならば、必ず直面する問題だ。外国との取引、さまざまな交流、外国人労働者の受け入れ、現地への社員の派遣など、具体的な事案は山ほどあるが、皆かなり苦労している。グローバル化に成功しているとされる会社は日本にもあるが、その数は海外資本に比べると話にならないくらい少ない。

 現在のところ、グローバル社会での「負け組」要素の強い日本だが、本来高い技術力を背景に世界経済の中で大きな影響力を持ってきた日本の組織が、なぜグローバリゼーションのもとでは、力を発揮できないのか。そしてこのことは、筆者が再三述べてきた「ブラック組織」の問題ともリンクしている。グローバル化できない会社は、日本人労働者を海外の労働者と同じような条件で働かせ、ブラック化するのだ。

 その意味で、グローバル社会に適応できない組織はいつでも暗黒面に堕ちる可能性を持つ。つまり、グローバル社会への日本人の適応を考えることは、日本組織全体の問題を考えることにつながる。

 筆者がそのような考えに至ったきっかけは、小学校1年生になる筆者の娘が持ってきた宿題にあった。家族ともどもマレーシア在住のため、娘は先月インターナショナルスクールに入学したばかりだ。クラスは20名弱の少人数で、娘の他には日本人は1人もおらず、インド系、中国系を含むマレーシア人がほとんどだ。授業はすべて英語で、語学は英語、北京語、マレー語を学ぶ。

 先日、やっと学校に慣れてきた娘が宿題を持ってきた。宿題は頻繁に出され、その多くは語学と算数なのだが、その日の宿題はちょっと変わっていた。翻訳すると次のような質問だ。イラストも交えながらわかり易く紹介しよう。


(問題)

「次の①-④のものは、下図のどの部分に入りますか? おうちの人と話して、決めてください。その理由も考えてください」

(注)食べ物のイラスト①~④は、イラストサイトの無料素材を使用している。
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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

「ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹」

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