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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

企業は公益をもって自らの利益としなければならない

上田惇生
【第121回】 2009年2月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「企業とは社会における富の創出機関であり生産機関である」(『現代の経営』)

 企業はすべて資源の能力を増大させ、社会の富を増大させていかなければならないとドラッカーは言う。しかも、社会のリーダー的存在としてのマネジメントの責任とは、公共の利益をもって企業の利益にすることであるという。私益を公益に従属させることでは十分でない。まさに公益を私益とすることによって、両者の調和を実現しなければならない。

 250年前、英国の著述家マンデヴィルは商業時代の精神を、その有名な言葉「私人の悪徳が公益となる」と要約した。利己心は無意識的かつ自動的に公共の利益になるとした。

 経済学は結論に達することなく、この問題を論じ続けている。しかしドラッカーは、彼が正しかったか間違っていたかは、もはやまったく意味がないと言う。そのような考えによっては、そもそも社会が永続しえない。

 いかなるリーダー的存在といえども、マンデヴィルの思想を基盤とする限り、社会に認められることはない。あらゆるリーダー的存在が、公益が自らの利益を決定すると言えなければならない。そのような確信こそが、リーダー的地位にあることの唯一の正当な根拠である。

 「私人の悪徳が公共の利益になるなどという思想に基づく社会は、それがいかに論理的に完全であろうとも、その利益がいかに大きくあろうとも、永続することはできない」(『現代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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