1月28日、とうとうスカイマークが民事再生法の適用申請を決定。自力再建を断念した。エアバスとの巨額の違約金問題がスカイマークの運命を大きく変えたのは事実だが、それを抜きにしても同社の経営数値は悪化の一途をたどっていた。業界の風雲児は今後、どうなるのだろうか?
12月の搭乗率は、たった5割
手元資金が底をついてタイムアウト
昨年7月末、エアバスから購入予定だった「A380」の契約解除を巡る違約金問題が明るみに出て以降、経営危機に瀕していたスカイマークがとうとう、民事再生法の適用申請をした。負債総額は約711億円だ。エアバスが要求している違約金は最大で7億ドル(およそ840億円)だが、こちらはまだ確定していないため、負債総額には入っていない。
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エアバスの違約金問題が原因で破綻したように見えるが、実はエアバス問題はいくつかある原因の1つに過ぎない。
A380という大型機材導入で国際線に打って出る――。西久保愼一・前社長が描いた拡大策は、JALやANAに対抗する第三極という立ち位置を超えて、彼らと同等の大手エアラインを目指すという野望だった。
2011年3月期以降、この3年間で「座席キロ」(提供座席と運行距離を掛け合わせた指標)は、ほぼ倍増した。新規路線を増やしたり、機材を大型化するといった拡大策を取った結果だ。しかし、営業利益153億円をマークした12年3月期をピークに、業績は急降下していった。急激な拡大による搭乗率の悪化と、LCCを意識した値下げがアダとなったのだ。
昨年10月末に発表した第二四半期決算。違約金問題はまだ交渉中で、一切業績に影響を与えていないにもかかわらず、2014年度の業績予想を大幅に下方修正。通期で営業損失124億円、当期損失137億円の大赤字に転落する見通しとなった。搭乗率の悪化に加えて、急に進んだ円安がさらにスカイマークに追い打ちをかけたのだ。