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イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司

「何回同じこと言わせるんだ!」と叱る上司は部下より無能

高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]
【第140回】 2015年6月29日
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何度も何度も同じことを言わせる部下や後輩、あなたの周りにいませんか?

 自分としては何度も言っているはずのことが、どうして相手に伝わらないのか――。こうした苛立ちを経験したことは誰にでもあるはずです。ただ、本当に相手はあなたから「何度も言われた」と認識しているのでしょうか?

 こうした状況に陥ったときには、両者の間でコミュニケーションギャップが起きた原因を見つけ、対策を考えるべきでしょう。そこで今回は、「何回も言わされたつもり」になって、後輩に迷惑をかけてしまった先輩社員のケースを反面教師に、コミュニケーションギャップを起こさないための対策を考えてみましょう。

温厚なリーダー社員を
大激怒させた後輩の“失態”

 「何回、同じことを言わせたらわかるんだよ!」

 我慢に我慢を重ねたつもりでしたが、耐え切れずに叱り飛ばしてしまいました。その言葉の主は、Sさん(35歳)。メーカーで代理店の営業支援をしている部署で、後輩社員数名を指導しているリーダー職です。普段は温和で、誰からも好かれる存在。これまで社内で悪い噂を聞いたことがありません。逆に、

 「お人好しで、いつも損な役回りばかり社内で押し付けられている」

 と周囲に心配されるくらいです。

 そんなSさんが後輩社員を大声で叱りつけた光景には、社内の誰もが驚きました。同僚たちはもちろん、上司も気にしています。ただ、この会社はチームより個人の成長を重視する社風で、よく言えば、放任主義。悪く言えば、我関せずといった職場です。なので、Sさんに、「大声で叱るとは、何が起きたんだ?みんな心配しているぞ」と声をかけて仲介に入るような同僚は1人もいません。

 時刻は17時半。すでに定時を過ぎていました。さらに、Sさんは大声で叱ることに慣れていないため、上げた拳を下ろす方法がわからないようで、

 「こうした失態は1回じゃない。先週もあったよな」

 と、過去を蒸し返すような発言で再び怒りをぶつけ続けました。そこでついに後輩が、「自分がすべて悪かったです。すみません」と謝ることで、ようやく事は収まりました。ただ、後輩は本当に自分が悪いと思っているかというと、決してそうではありません。彼は自分が早く帰るために、理不尽だなと感じていても「面倒くさいから謝ってしまおう」と合理的に考えて謝っただけでした(後輩が悪いと思えなかった理由は後段でご説明します)。

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高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]

1964年生まれ。同志社大学卒業後、リクルート入社。リクルートで6年間連続トップセールスに輝き、「伝説のトップセールスマン」として社内外から注目される。そのセールス手法をまとめた『営業マンは心理学者』(PHP研究所)は、10万部を超えるベストセラーとなった。 その後、情報誌『アントレ』の立ち上げに関わり、事業部長、編集長、転職事業の事業部長などを歴任。2005年、リクルート退社。人事戦略コンサルティング会社「セレブレイン」を創業。企業の人事評価制度の構築・人材育成・人材紹介などの事業を展開している。そのなかで、数多くの会社の社内政治の動向や、そのなかで働く管理職の本音を取材してきた。 『上司につける薬』(講談社)、『新しい管理職のルール』(ダイヤモンド社)、『仕事の9割は世間話』(日経プレミアシリーズ)など著書多数。職場での“リアルな悩み”に答える、ダイヤモンド・オンラインの連載「イマドキ職場のギャップ解消法」は、常に高PVをはじき出している。
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イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司

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