「おおさか維新」ついに旗揚げ!
合従連衡を繰り返す野党の性
10月1日夜、橋下徹大阪市長が記者会見を開き、新党「おおさか維新の会」の設立を正式に発表した。会見の中で「民主党と丸ごと一緒になるのは、改革を放棄したと見なさざるをえない」と厳しく「維新の党」を批判する場面もあった。
ことの発端は、9月13日投開票の山形市長選挙をめぐり、維新の党の柿沢未途幹事長が、民主党・共産党が支援する候補者を応援に行ったことが党内で問題視された事件だった。安保法制をめぐって「野党再編」の流れが醸成される中、ダブル選挙を前に「維新純化」を志向する「橋下徹」派がこれに反発した、という構図である。
8月27日、橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は維新の党からの離党を表明。自分たちが創った政党を「離党」するというのは、奇妙な話ではある。
思えば、維新の党が結党されてから約1年しか経っていない。ここ数年、毎年のように野党は合従連衡を繰り返している。民主党政権が崩壊し、みんなの党が瓦解し、日本維新の会から次世代の党が飛び出し、日本維新の会が結いの党と合流して、維新の党が結成されたかと思えば、今度は本家の大阪選出の議員達が離党――。こんな状況では、野党を支持したくても「どこを選べばいいのかわからない」と感じている人も多いかもしれない。
アメリカ、イギリスといった他の先進国を見れば、これほどの頻度で新党ができたり政党が分裂したりする事態などあまり例がない。なぜ、日本はこんなにも政党が合従連衡を繰り返すのか。そして、なぜ橋下徹大阪市長は最後の決戦を前に、再び新党を立ち上げたのか。一方で、政界再編は進むのか。「一強多弱」を脱し、自民党と対抗する野党勢力は日本に出現するのか。
注目の大阪の政局を題材に、各政党の政治思想を分類し、日本の政党政治の問題点も指摘しつつ、橋下新党発足が持つ意義について考察したい。
まず、日本の政党が合従連衡を繰り返すメカニズムを理解するために、今の既存政党を政治理念に基づいて分類してみたい。その上で、なぜ政党が離合集散するのか、1つの説明を試みたい。