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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

もはや給付削減しかない!
年金の世代間不公平を正す最後の手段

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第70回】 2010年5月15日
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デフレで所得代替率は上昇する

 現在の制度を継続すれば年金財政が破たんすることを、過去3回の連載(第67回第68回第69回)で述べてきた。これが生じる基本的な原因は、賃金が伸びないために、保険料収入が財政検証の予測値よりは減少してしまうことだ。

 もちろん、賃金が伸びなければ、新規裁定される年金額は低くなる。しかし、新規裁定年金は、全体の給付のなかでは一部分を占めるにすぎない。したがって、給付額は、財政検証で予測する値からあまり大きくは減少しない。この計算では、近似として、財政検証の値から不変であるとしている。

 以上で述べたことを逆の面から見れば、「現役世代の給与に対して年金給付が高すぎる」とも言える。とくに、既裁定分についてそのことが言える。

 では、賃金が下落する場合に財政検証どおりの給付を続ければ、所得代替率はどのような水準になるだろうか?

 まず、財政検証が想定する代替率は、【図表1】のA欄に示すとおりだ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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