経営 X 人事
なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第9回】 2010年5月24日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

スパルタ研修と対話型研修では
どちらが新入社員を成長させるか?

「餃子の王将」のスパルタ式新人研修が、ネット上で批判にさらされています。http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/28/news079.html

4月に研修風景がテレビ放映されたことから騒ぎになったものですが、5日間宿舎にカンヅメで携帯電話、テレビ、新聞、タバコは禁止、毎朝6時半からランニング、23時消灯、挨拶などの接客基本動作を叩き込まれて、「今後の抱負を絶叫」させて、最後は感極まって役員と抱き合って泣く…。昔からある特訓系の研修です。思わぬ反響に会社側も釈明のコメントを発表していますが、この手法の意義と実効性を確信しているらしく、反省の弁は述べられていません。

前回ご紹介したダイアローグ(対話型)研修とスパルタ研修の激しい落差。いったい、どちらが新入社員の最初のステップとして相応しいのでしょうか?(ダイヤモンド社人材開発事業部副部長・間杉俊彦)

「働く厳しさ」は
スパルタ研修でしか教えられないのか?

 特訓系の研修は、根強い人気があります。ほとんどの場合、経営者(多くはたたき上げ)の好みで導入されているようです。研修担当者は、どう思っているのでしょうか。よくわかりません。

 王将フードサービスが発表した釈明コメントによれば、このスパルタ式研修は、「職場で必要とされ、また、自分の存在意義を確立していくためには、これまで個性や個人の自由が大切だという名目の下で放任されてきた、自己中心的(我儘)な行動は許されないことを先ずは教えなければなりません」という考えに基づいて導入されています。

 「新入社員研修を通じて、一番彼らに教えたいことは「感謝を知ること」です。感謝は感激と感動がなければ生まれてきません。仲間と一緒にチームで行動し、社是、マナーを頭に叩き込むという研修を通じて、何かに甘えたり、何かから逃げようとしてきた自分の弱さに向き合い、仲間に励まされながら持てる力を出し切って殻を破れた時、感激し、涙を流し、チームの仲間と一緒に感動を分け合うこと、そして、仲間に支えられての自分であることを知り、感謝を知ることが、この研修の本当の意味、目的であります」

 

 

間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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