「渋谷で待ち合わせ」と言えば、“ハチ公前”が定番。渋谷駅前広場の忠犬ハチ公像は、第二次大戦前に生まれたその実話と共に、全国的に有名なスポットだ。

 区内には、竹下通りや旧同潤会アパートの再開発による「代官山アドレス」「表参道ヒルズ」などの新名所も多い。「若者の集まるまち」「トレンドを生むまち」「女性の好むまち」――。さまざまな性格を包み込む副都心・渋谷は23区の重鎮だ。

面積が小さくても人出は膨大!
あらゆる人を魅了するターミナル

 渋谷区は、区域も決して広くなく、面積では23区中第15位、人口も20万を少し超える程度で19位となっている。だが、昼間人口となると一気に54万人に増え、23区中第7位に躍り出る。

 また、昼夜間人口比率は270万人を超え、これは、千代田、中央、港の都心3区に次ぐ。昼間人口密度も1平方キロメートル当たり3万6000人で、第5位にランクイン。さすが副都心というべきか、「居住の場というよりも活動の場」という性格が勝る。

 面白いことに、人口性比が93.1と3番目に小さい区でもある。つまり、女性100人に対して男性が93人しかいない。女性の割合が多い区なのだ。

渋谷区――膨大な人々が流れ込む一方、膨大な人々が流れ出す「ブランド区」の不思議

「渋谷駅」という一大ターミナル駅を抱える区内鉄道駅の乗降客は、やはり大変な数だ。渋谷区には、JRのほか、東急東横線、田園都市線、地下鉄銀座線、半蔵門線、副都心線、京王線が乗り入れている。年度内乗車人員およそ8憶4000万人、その数は新宿、千代田、港の3区に次ぐ。私鉄駅のみで見れば、3億5000万人で第1位となる。