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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

ベッキー不倫騒動で問われる、謝罪における「正義」

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第149回】 2016年1月26日
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謝罪における「正義」とは?

 「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音とベッキーの不倫騒動は、まさかのLINE流出という非常に今日的な出来事によってさらに世間を騒然とさせてしまっているが、今回の件を参考に企業社会やビジネスパーソンにとっても、人ごとではない(つまり、いつ当事者になるかもしれない)「謝罪」というものについて考えてみたい。

 今回のようにニュースやワイドショーで大きく取り上げられるような事件/騒動が起きると、たいていの場合、当事者は記者会見を開いて謝罪する。そして、危機管理の専門家みたいな人たちが「謝罪のあり方」をコメントし、メディアを通じて伝授する。その基本は「とにかく早急に会見を開いて、真摯に謝りまくれ」というものだ。これはまあ、間違ってはいない。謝罪会見なのだからとにかく低姿勢に徹して謝りまくる、というのは正しい姿勢だ(そうでなければ炎上する)。

 ただ、問題なのは、その謝罪の「中身」である。そしてその中身について、多くの専門家は、指摘したり伝えることはほとんどない。危機管理屋さんにとってはそこが商売の肝なので、教えられない、メディアなどで語れない、知りたければコンサル料を払ってください、という事情もあるのかもしれないが、僕は謝罪コンサルタントではないので、つまりそれで商売をしているわけではないので、本当のことをお伝えしたいと思う。

 多くの謝罪コンサルタントが表立って指摘しないことには、大きく2つのポイントがある。

「謝罪は永遠に残る」という事実

 まず1つ目のポイントは、「謝罪は永遠に残る」ということだ。ネットに上がったものは完全に削除することは難しく、永遠に残ってしまう。これは、リベンジポルノや他人への誹謗中傷発言などに対する“警告”としてよく言われることだが、「謝罪」も同様だ。謝罪会見を開かねばならないような「事件」は人々の関心を引くので、ニュースサイト以外でも個人のブログなどさまざまなところで書かれてしまう。そして、その記事や書き込みは永遠に残るのだ。謝罪した本人の意思を超えて「謝罪したという事実だけが残る」ということを踏まえて、謝罪するかどうか、謝罪するとすればどうすべきか、をよく考えるべきだ。

 ネットでは大きな炎上事件が頻発した時期があった。ほとんどブームと言ってもいいくらいの勢いで炎上し、それに伴い多くの人が謝罪することになったのだが、そのなかにはあまりに理屈に合わない理由で攻撃されたり、事実誤認で炎上したり、謝る必要がないと思うのに謝罪する人もいた。もちろん、謝罪すべきようなことをしたら謝罪するのが当然ではあるが、そうではないケースなのに安易に謝罪してしまうと、謝罪したという事実だけが独り歩きしてしまい、長期的なレピュテーションの悪化につながってしまうこともある。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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