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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

「腐ったリンゴ効果」の恐るべき伝染力!
社会心理学でわかる“タダ乗り”の意外なパターン

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第2回】 2010年6月23日
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まずは現状のリサーチから始めよう!
深刻化する「タダ乗り問題」の解決法

 前回は、「タダ乗り」という現象が今の日本の会社組織に深刻な問題を引き起こしていることを述べた。お蔭様で、記事の反響は私たちの予想をはるかに上回った。新連載としては異例の35万PV(ページ・ビュー)を記録し、読者の皆様からのメールも多数いただいた。

 これだけ大きな反響を呼んだのは、まさに日本の多くの職場で「タダ乗り問題」が発生しており、皆がそれに不満を感じているからに他ならないだろう。そして、この問題が会社の存続を左右するほど深刻になってきていることの表れでもあるだろう。

 ならば、「タダ乗り問題」は企業にとって早急に解決されるべき課題である。前回の記事を読んで危機感を感じた経営者や管理職は、自分の会社や部署のタダ乗り問題に対してすぐに手を打つ必要がある。

 しかし、タダ乗り問題は私たちが考えるほど簡単に解決できるものではない。それは、これまでの社会科学の研究からも、私たちが企業関係者に対して行なったインタビューからも、わかっている。

 問題の解決のためには、まず「なぜタダ乗り問題が起こるのか」「職場にはどんなタダ乗り社員がいるのか」を知らなくてはならない。今回は、タダ乗り問題を解決するために必要な予備知識として、社会心理学を中心とした研究成果をわかりやすく解説したい。

 結論から言うならば、あらゆる会社組織は放っておくとタダ乗り問題を生む構造になっている。いや、会社組織だけではなく、皆で協力し合うことが必要な全ての集団――国、地域社会、家庭、そして地球全体――は、タダ乗り問題を潜在的に抱えている。

 わかりやすい例として、教育現場で起こりがちなケースを挙げてみよう。

 教室の掃除をクラス全員でやることを考える。これを経済学的な視点から見ると、それぞれの生徒はコストを負って掃除を行なうことになる。それは、掃除のために使う時間や肉体的・心理的な負担がコストとみなされるからだ。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

「あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場」

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