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トンデモ人事部が会社を壊す

SMAPの残留は失敗!転職こそが人を磨く

山口 博
【第38回】 2016年2月9日
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「成長して戻ってきます!」
トレンド化する“出戻り人事”

 ジャニーズ事務所からの独立が争点となったSMAP騒動。結局、“転職”は叶わず、5人のメンバー全員が今まで通りの活動を続けることで合意したことは記憶に新しい。いわば「転職しかけて元の鞘に収まった」ような事例だ。

慣れ親しんだ組織に安住したいと思うサラリーマンは多いが、マンネリの弊害にも目を向けるべきだ

 一方、近年のサラリーマンの世界では、転職をした後、数ヵ月から数年も経ってから、元の会社に出戻るケースが増えている。いわゆる「中途採用における出戻り人事」だ。

 転職者の最終出社日に、「では、みなさん、少しお集まりください」という掛け声のもと、退職挨拶が行われるシーンに遭遇する。「このたび、退職することになりました。お世話になりました」――。最近、特に多く使われている転職の挨拶のフレーズがある。「また、成長して戻ってきますので、みなさん、よろしくお願い申し上げます」という挨拶だ。そして、送る側も、「また、戻ってこいよー」と返答するのだ。

 出戻り人事の実例は、昔からあった。ただし、かつての出戻り人事は、極めて例外的で、人事部は、あまり表沙汰にしてこなかった。例えば、転職した社員が、当初は意気揚々としていたが、そのうちに、こんなはずではなかったと後悔しはじめ、元の会社の方が良かったと思いが募り、しかし今さら元の会社に相談できないと逡巡しながらも、意を決し、本音を語れる先輩の伝手をたどって相談し、出戻ることが実現するケースが、稀にあった程度だ。

 たいていの場合、人事部は特段のアナウンスをせず、再入社の挨拶もしない。元の社員は、表向きは何事もなかったように接するわけだが、水面下では、ほとんどの社員が出戻りの経緯を克明に知っている状況になる。

 しかし、20年来のトレンドを経験的にふりかえると、出戻り人事の実態は様変わりしている。まず、かつては、明示的か非明示的かは別として「再入社を認めず」という方針を持っていた人事部が、「再入社を歓迎する」という方針を明示的に打ち出し始めた。勤続○年以上で、他社在籍が○年未満であれば、再入社を認めるという制度を持つ会社もある。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

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