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エコカー大戦争!

メイド・イン・ジャパン最終章?
日産の価格破壊が予感させる
「クルマのユニクロ化」の必然

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第49回】 2010年7月14日
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 「147万円ですからね・・・。いやぁ~、日産さん、やってくれますよね(苦笑)。ウチも驚きましたが、東電(=東京電力)さんも知らなかったらしいですよ」。

 そう語るのは、電気自動車用の急速充電器を製造販売する電気機器メーカー関係者。

 日産は今年12月に日米で発売予定の電気自動車「リーフ」に関連して、自社で販売する急速充電器の価格を147万円にすると公表した。「当初、雑誌記事でゴーンさん(カルロス・ゴーン日産社長兼CEO)のコメントとして、80万円なんていう数字が出て、本当にビックリしました。最終的には147万円になりましたが、それでも、あまりにも安い。電気機器の専業者としては、考えられない価格。ウチならば原価割れです」(前述と別の関係者)。日産の同製品は、日産社内(または日産系列の電気機器事業者)が製造するとみられている。

 急速充電器は、リチウムイオン二次電池搭載の電気自動車対応のインフラとして各社が開発を進めている。現在実用化されている同電池のほとんどは、その特性上、急速充電で満充電の80%を約30分間(残り20%の充電に時間がかかるため、それ以上の継続充電を推奨していない)で充電できる。

 また、2010年3月15日、東京電力と日系自動車メーカーほか充電インフラ関係各社は、東京電力が推奨する急速充電方式の世界標準化を目指して、「CHAdeMO(チャデモ)協議会」を発足させた。

 東京電力は数年前から急速充電器の仕様を公開し、ハセテック(横浜市)、高岳製作所(東京都中央区)、高砂製作所(川崎市)、テンパール工業(広島市)など中規模の電気機器メーカーが量産を開始していた。その価格は350万円前後(顧客が希望する外装の仕様などで価格に開きがある)でほぼ統一されていた。そうした状況で、日産が従来品の半値以下という価格破壊を宣言したのだ。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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