社外取バブル2025最新版 「10850人」の全序列#6Photo:krisanapong detraphiphat/gettyimages

ガバナンス改革の必要性が叫ばれる中、社外役員の拡充が進んでいる。今回は社外取締役と並んで重要な「社外監査役」にスポットライトを当てる。彼らは報酬に見合う働きぶりなのか。特集『社外取バブル2025最新版「10850人」の全序列』の#6では、社外監査役「上位2500人」の報酬額ランキングを紹介する。トップの金額は4267万円に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

社外監査役こそガバナンスの要
高額報酬の主役たち、その経歴を探る

 元タレント・中居正広氏を巡るトラブルで揺れるフジ・メディア・ホールディングス、6708億円もの巨額赤字に沈んだ日産自動車、紅麹サプリ問題で情報開示の遅れを露呈した小林製薬――。企業不祥事が起こるたびに、コーポレートガバナンス(企業統治)改革の必要性が声高に叫ばれてきた。

 その改革を支える柱が、社外取締役と並ぶ「社外監査役」の拡充だ。社外役員に共通する使命は、経営トップの専横や内部不正を抑え込み、企業価値の毀損を未然に防ぐことである。

 本特集ではこれまで計5回にわたり社外取締役を取り上げてきたが、今回と次々回の#8の記事で、もう一人の主役である社外監査役にスポットライトを当てる。対象は上場3900社に在籍する社外監査役「全4910人」である。

 取締役が業務執行を担うのに対し、監査役は取締役の業務・会計処理に不正がないかを独立した立場でチェックする番人だ。不正を察知すれば裁判所へ差し止めを請求する権限も持つ。その半数以上は社外から選ばねばならず、経営からの独立性が強く求められている。

 今回ダイヤモンド編集部は、有価証券報告書に開示された役員区分別の報酬総額と人数を基に推計報酬額を算出。複数社を兼務する場合は各社の金額を合算し、実態に近い受取額を導き出した。こうして作成したのが、社外監査役「上位2500人」の報酬額ランキングだ。

 首位に立ったのは3社を兼務し、年4267万円を得ていた人物だった。上位5人の平均は3839万円に達し、兼務社数は平均2.2社である。公認会計士、弁護士、元検事総長といった顔触れが並んだ。

 次ページでは、上位2500人の氏名・兼務社数・推計報酬額を一挙に掲載する。果たして彼らの働きぶりは、その高額報酬に見合っているのか。ぜひ各社の状況と照らし合わせ、検証してほしい。