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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

広く理解されて行動の基盤となってこそ知識と言える

上田惇生
【第203回】 2010年7月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1785円(税込)

 「今後とも、物理学では、専門化が王道であり続けるだろう。しかし他の多くの分野では、専門化は、今後ますます、知識を習得するうえで障害となっていく」(『新しい現実』)

 学問の世界では、書かれたもの、すなわち論文を知識と定義する。それどころか、その論文の書き方までをとやかくいう。そのくせ、まるで理解不能な文章があっても平気である。

 ドラッカーは、そのようなものは知識ではないし、知識とはいかなるかかわりもないと怒る。それらはデータにすぎない。

 知識とは、行動の基盤となるべきものである。人や組織をして、なんらかの成果をもたらす行動を可能にするものである。なにかを、あるいは誰かを、変えるべきものである。

 そもそも、理解されることが学識ある者の責務である、という昔からの原則が忘れられてしまった。行動の基盤であるということならば、広く理解されることなくして、知識とは言えない。

 ドラッカーは、問題は今日学界の専門家たちの学識が、急速に知識ではなくなっていることにあるという。それらのものは、データにすぎず、せいぜいが専門知識にすぎない。世の中を変える力を失ってしまっている。

 「過去200年間にわたって知識を生み出してきた学問の体系と方法が、少なくとも自然科学以外の分野では非生産的となっている。学際的な研究の急速な進展が、このことを示している」(『新しい現実』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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