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「トランプ大統領」で世界経済に新たな不安

週刊ダイヤモンド編集部
2016年5月17日
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米国の大統領選挙で、当初は泡沫候補と呼ばれていたドナルド・トランプ氏が、ライバルの撤退で共和党の指名獲得をほぼ確実にした。片や民主党はヒラリー・クリントン氏が指名獲得を確実にしているものの、本選挙での圧勝には程遠いといわれる。金融市場では早くも「トランプリスク」を警戒する声が上がってきた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)

トランプ氏は政治家経験がなく、演説にも暴言が多いが、ブームは失速せず、すでに半分近い代議員数を獲得している。移民やさらなるグローバル化を脅威に感じている白人男性が主な支持基盤だ
Photo by Keiko Hitomi

 米国の大統領選挙が新局面を迎えている。5月3日に、インディアナ州での予備選挙で敗北したテッド・クルーズ氏が撤退を表明し、ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補に指名される見通しになった。

 対する民主党の方は、ヒラリー・クリントン氏が優勢にある。米CNNによれば、獲得代議員数は5月10日時点で2235人、全代議員の半数近くを取り、バーニー・サンダース氏に771人もの差をつけている。

 とはいえ、10日のウェストバージニア州での予備選挙でサンダース氏が勝利するなど、サンダース氏の善戦も目立っている。

 仮にトランプ氏とクリントン氏が米国大統領候補になった場合、どちらが有利なのか。4月に行われた米CBSニュースの「トランプ氏とクリントン氏のどちらに投票するか」という世論調査では、クリントン氏の50%に対して、トランプ氏は40%。クリントン氏が有利とはいえ、圧勝するとはみられていない。

 そもそも米国の大統領選挙は、民主党、共和党共に支持基盤が強固で確実に取れる州を持っており、勝敗は接戦州(スイングステート)の結果で決まるといわれ、フロリダやミシガンなど12州ある。

 クリントン氏が圧勝できないといわれるのは、好感度が高くないためだ。「トランプ氏やサンダース氏の躍進は、既存の政治家(エスタブリッシュメント)は自分たちのことを考えてくれないという不満から来たもの。クリントン氏はエスタブリッシュメント中のエスタブリッシュメントで、変化のイメージもない」(安井明彦・みずほ総合研究所欧米調査部長)。

 米国では、富裕層とは対照的に、中所得者・低所得者層には好景気の恩恵を受けていないとの思いも強い。格差もエスタブリッシュメントへの不満につながっている。

 それに対して、「移民は帰れ」などというトランプ氏の下品な発言は、「トランプはエスタブリッシュメントのように本心を隠そうとせずに、正直に話してくれる」と、特に白人の中所得者層などに好感を持たれている。

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