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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

衰退する日本の音楽業界の起爆剤になるか?
「音楽×社会貢献」で若者たちを呼び戻せ!

――音楽に、新たな「聴く理由」を開拓せよ

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第26回】 2010年8月24日
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 主な夏フェスも終わってしまったが、この夏もどこかのイベントに参加して、あるいはフェスの掛け持ちをして「やっぱり音楽っていいなあ」と感じている読者も多いのではないかと思う。

 僕は夏が来るたびに「夏フェス、行きたいなあ」と思うのだが、結局、この夏もどこのフェスにも行くことができなかった。毎年、毎年、この時期になると夏フェスに行けなかったことを悔やんでいるので、来年あたりは、いっそのこと自分で夏フェスを企画してやろうかと思っている。自分で企画すれば絶対にそのフェスには行けるからだ。

 まあ、フェスなんてものは思いつきだけでどうにかなるモノでもないが、わりとまじめに考えている。世間には「夏フェス、多すぎ」という声もあるが、まだ誰もやっていないフェス・テーマがある。そう、「社会貢献で夏フェス」だ。

 世の中にはチャリティ・コンサートは数多いし、社会貢献がこれほど大きなムーブメントになっているのだから、そろそろ社会貢献をテーマとした夏フェスが出てきてもいいはずなのに誰もやっていない。だったらオレがやってみたいなあと考えている。(読者の中で実現に協力したいという人がいたらメールください)

 社会貢献と音楽はもともと相性がいい。「ライブ・エイド」や「We Are The World」は有名だし、日本の演歌歌手のみなさんもチャリティに熱心だ。そもそも、ロックやフォークは60年代を席巻した「愛と平和」のフラワー・ムーブメントと密接に関連した革命思想だし、ラップは黒人の公民権運動にもつながっている。これらの音楽と、「世界を変える」が共通のスローガンである社会貢献とは、やはり根底でつながっているのである。

コンサート運営を通じて、
若者に生きるチカラを与える

 社会貢献と音楽をつなげた活動も増えている。NHKの番組でも紹介され、最近注目されているのが「ブラストビート」である。

 「ブラストビート」は、音楽を通じた高校生向けの社会教育プログラムで、アイルランド出身の音楽プロデューサー=ロバート・スティーブンソン氏が開始した。主にドラッグや飲酒に溺れる非行少年の更正や、不登校・引きこもりなどの無気力少年に気力を与えることを目的としている。

 このような高校生を集めてチームを作り、ロック・コンサートを企画・開催させる。チームはバーチャルな会社組織で、メンバーにはCEO、マーケティング、セールス、PRなどの役割が与えられ、コンサートを企画し、会場の手配、出演バンドの選定と交渉、ウェブやフライヤーなどによる宣伝、チケットの販売、そしてコンサートの実施まで自分たちの手で行なう。利益の一部は自分たちが選んだNPOなどに寄付される。

 こうして実地でビジネスを学び、自分たちの活動が社会に役立つことを実感することで、非行少年や無気力少年は前向きに生きようと考えるようになる。

 2003年に創業して以来、ブラストビートの活動には14万人を超える10代の若者が参加、500回以上のライブを実施した。2006年には「アイルランド社会起業家賞」を受賞。いまでは、アメリカ、イギリス、南アフリカなど世界各国に活動が拡がっている。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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