お笑いコンビ「マシンガンズ」は、1996年結成の大ベテラン。仕事もない、金もない、会うのは週1のラジオだけ……。鳴かず飛ばずの時期、生活のためにゴミ清掃員の仕事を続けていた滝沢秀一の著書『このゴミは収集できません』がスマッシュヒット。本をきっかけに有吉弘行の番組に呼ばれたが、久しぶりのテレビの仕事は甘くなかった。
※本稿は、マシンガンズ著『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

顔を合わせるのは週1回程度でラジオだけ

――その頃、芸人としてのお仕事は。

有吉弘行さん有吉弘行さんの番組に出演して大スベり。有吉さんから言われたこととは?  Photo:Sports Nippon /gettyimages

滝沢 俺はもう全くなかったので、ずっとゴミ清掃をやってました。ラジオだけかな。14年にラジオ日本で2つ始まって、1つは『60TRY部(ろくまるトライぶ)』。『ネガ⇒ポジ』は一旦終わったけど、今はポッドキャストで配信してます。

西堀 2つとも8年続いたんだ。

滝沢 うん、すごいよ。まあ、金的にはあまりもらえないんでね。でも、ラジオをやっていなかったら、会うことがなかったです、西堀と。たぶん、14年の後半にはもう事務所ライブは卒業していたから、全然会う機会がない。ラジオのおかげで、1週間に1回ぐらいは顔を合わせていたんで。

西堀 でも、ただやってるって感じだった。

滝沢 反応とか反響がなくて。

西堀 こういう言い方すると悪いけど、何してんだろうと思う時もあった。やってる時は楽しいんですよ。なんでもそうだけど。でも、この頃、どうやっていこうとか、どこに行くのかなっていう時期で。この辺はまだ、滝沢のゴミ関連も仕事になっていないんじゃない?

滝沢 なってない。ただ単に、ゴミ清掃員として働いているだけ。

滝沢のゴミ関連書籍がスマッシュヒット

 ――18年になると、滝沢さんの著書『このゴミは収集できません』(白夜書房、18年9月)が出版されて、また風向きが変わります。

滝沢 これは、初版だけ(印税が)入ってくればいいやと思ってたんだけど、意外とスマッシュヒットになったんです。その理由はよく分からない。マシンガンズの滝沢が今、ゴミの仕事をやってるっていうのが話題になって、冷やかしで買ってくれたのかもしれないですけど。

 本の内容が面白いかどうかなんて、すぐには分からないじゃないですか。でも、発売日のうちに売り切れになったんだよ。当時はSDGsもそこまで浸透していなかったし、僕も知らなかったくらい。劇団ひとりさんは「お前のやってることは革命だぞ」って言ってくれたけど、そんな自覚もなくて。