まずはモデル地区をつくり全国に広げたい

――そのような施設を実際に設立するに当たり、現状ではどんな課題が見えてきているのでしょうか。

 まずはどこに施設を作るかということですね。江東区内で、3階建てで、となるとなかなか物件がないというのが目下の悩みです。豊洲に作れば間違いなくうまくいくと思いますが、高齢者が多いところに作ってもうまくいかないでしょう。若い子育て中の女性が住んでいるところ、あるいはそういう女性が勤務しているところの周辺にそれを作ろうと思っています。

――江東区といえば豊洲などおしゃれな街が多く、素敵なママたちがたくさんいて、孤独というイメージと結びつきにくい気もするのですが、その点はいかがでしょうか。行政も子育て支援に熱心な地区という印象があります。

昭和大学江東豊洲病院のある江東区豊洲は子育て世代が住みたい街として人気が高いが、ここでも子育てママたちの悩みは深い

 そうとは限らないんですよ。親元と離れている女性も多いですし、地域のコミュニティも弱い。子育て支援をしているとはいえ、たとえば子どもに熱が出ても、すぐに連れていける地元のクリニックが豊洲にはほとんどないんです。また、働こうと思っても、保育園が少なくて預け先がない。子育てしやすい街かというと、そこは疑問です。だからこそあらためてムラを作りたい、彼女たちの心を広げられる場を作りたいと思うのです。

――将来的な目標は。

 設立が実現して、「お母さんの支援をする」という目的を果たせたら、一つのモデル地区が確立します。豊洲でうまくいけば、横浜、大阪、と広げていき、最終的には、過疎化や少子化で困っているところにモデル地区を作って、仕事を作って若い人を集め、地域の活性化、地域創生ができないかな、と……。これを江東区だけでなく、モデル地区として全国に広めていけたらいいですね。

 お母さんたちが「子育てが楽しい」と思うことは、二人目を産む女性を増やすことにもなり、結果的には少子化対策にもなる。社会的意義も大きいと私は考えています。