「当たり前だけど大切なコミュニケーション」が
足りないと、「フリーライダー」と誤解される!

 ハードコア・フリーライダー、すなわち意図的にタダ乗りをしている人は、確かにいる。

 このコラムの読者の皆さまからいただくメールを拝見しても、ハードコア・フリーライダーのせいで振り回されてしまった人、精神的・肉体的負担を背負ってしまった人は、明らかにいる。

 しかし一方で、「誤解」が人間関係の悪循環を招いているケースも少なくない。フリーライドする意図はないのに、ある行為のせいで相手からフリーライダーと認識され、その結果人から「袖にされる」というものである。

 この誤解の元になっている「ある行為」とは何か。 それが「コミュニケーション」問題である。

 それは、何か特別なコミュニケーションが足りないからとか、特別なコミュニケーションスキルを持っていないとできないといった問題ではない。「当たり前だけど、人として大切なことをやっていないこと」からくる誤解である。

 前回のコラムで、コミュニケーションとは、「人と人との心をつなぐ行動」という定義だと説明した。

 心と心をつなぐわけだから、まずは、相手があなたのことを「受け入れるぞ」という感情にならないと、お互いの良好な関係性は何も始まらない。この、「あなたのことを受け入れるぞ」という感情を、一般的には「信頼」という言葉で言い表す。

 では、あなたがフリーライダーと誤解されず、人から信頼されるためには、どのような「当たり前だけど大切な行動」が欠かせないのだろうか?

 著書『エクセレント・カンパニー』で有名なトム・ピーターズの研究グループに所属するJ.クーゼスとB.ポスナーは、リーダーシップにとって大切なことを、「信頼」と定義した。