ダイヤモンド社の雑誌

トップが語る世界自動車危機の行方

このページを印刷

話題の中国BYD総裁を直撃インタビュー
「米国で2年以内に電気自動車を投入する」

世界同時不況で自動車産業に沈滞ムードが漂う中、“世界初”を連発する威勢のいい企業が中国・広東省にある。家庭用電源で充電できるプラグイン型ハイブリッド車を世界に先駆けて発売したBYD(ビーワイディー。比亜迪股フェン有限公司)だ。出資者には、あのウォーレン・バフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの傘下企業も名を連ね、年初には北米市場への投入計画もぶち上げた。技術蓄積に勝る日欧米の大手メーカーを相手に、どう戦おうとしているのか。王伝福(Wang Chuan-fu)創業者兼総裁に、今後の戦略を聞いた。

王伝福
BYDとは?
政府系研究機関に勤務していた王伝福総裁(43歳、写真)が1995年に29歳の時に創業した二次電池メーカー(本社は中国広東省深セン市、香港上場)。ニッケルカドミウム電池を手始めに、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池へと事業領域を拡大。現在、携帯電話向けのリチウムイオン電池のシェアは世界1位。2003年に、二次電池での技術蓄積を生かす目的で、スズキの小型車「アルト」を生産していた西安秦川汽車を買収し、自動車製造に参入。昨年末には、プラグイン・ハイブリッド車を世界に先駆けて発売。通常の内燃エンジン搭載車も販売している。新華社によれば、同社の「F3」セダンは2008年に月間販売台数が1万台の大台を超え、同年10月に初めて単独ブランドの販売台数としてトップの座を獲得し、2009年1月の販売台数は1万5675台に達し、2位の「カローラ」の1万3240台を大きく突き放した。                       Photo: North American International Motor Show 2009 

―2年後を目途に、米国市場に参入する計画を明らかにしたが、どのようなクルマを投入するつもりなのか。

 当社が中国で販売している通常のガソリン車ではなく、まったく新しいタイプの環境対応車を投入する計画だ。

  米国の環境・安全基準をクリアするための承認プロセスおよび市場調査に要する時間を考えて、参入は2年後になると申し上げた。それまでに、販売ネットワークも整備したい。うまくいけば、2011年より前にすべての準備を終わらせることも可能かもしれない。

―投入する車種は、小型車の「F0」と電気自動車の「e6」か。

 いや、「F0」は通常の内燃エンジン搭載車であり、北米市場への投入は現時点では考えていない。純粋な電気自動車である「e6」、そしてトヨタ自動車の「カムリ」とほぼ同じサイズのプラグイン・ハイブリッド車である「F6DM」になると思う。

―価格帯はどれくらいを想定しているのか。

 ラフな見積もりにすぎないが、250マイル(402キロメートル)の航続距離を持つ電気自動車、つまり「e6」で、ざっと3万~4万ドル(1ドル=98.85円で296~395万円)になりそうだ。

―充電方法は?

 「e6」には三つの充電方法がある。ひとつは大型の充電ステーションで、これを使えば、わずか10分で50%まで充電できる。もうひとつは220ボルトの中規模システムで、3~4時間でフル充電が可能だ。最後は普通の家庭用充電装置で、各家庭の電力設備の状況に応じて、充電に必要な時間は変動するが、基本的にはかなり長い時間がかかる。

おすすめ関連記事

Special Topics

インデックス

第1回
米国トヨタ販売首脳インタビュー 「今年後半には米国市場は最悪期を脱する」
第2回
米GM フリッツ・ヘンダーソン社長 「われわれに与えられた猶予は90日間」
第3回
ダイムラー ディーター・ツェッチェCEO 「環境対応車へのパラダイムシフトが加速」
第4回
米GM ボブ・ラッツ副会長 「電気自動車で起死回生を誓う」
第5回
米国トヨタ販売首脳インタビュー 「レクサスに電気自動車があってもよい」
第6回
話題の中国BYD総裁を直撃インタビュー 「米国で2年以内に電気自動車を投入する」

Pick Up

山崎元のマルチスコープ

トヨタの記者会見に見る社長の孤独

一連のトヨタ車の不具合の問題で豊田章男社長が初登場した記者会‥

週刊・上杉隆

小沢幹事長問題ではっきりした メディアと国家権力の危険な関係

大久保秘書逮捕されてからの10ヵ月間、記者クラブメディアは検‥

inside

ANAの我慢も限界!撤退を招きかねない 静岡県の航空市場を歪めるJAL優遇策

静岡県によるJAL福岡便への緊急支援策が大きな波紋を呼んでい‥

News&Analysis

デフレでも売れるのは高級チョコばかり!? 百貨店が命運かけるバレンタイン商戦の行方

不況の影響を受け、苦悩が続く百貨店業界。しかし、バレンタイン‥

最新の連載一覧

すべての連載

特集を見る

Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます

Close-Up Enterprise
暗中模索のウィルコム問題 最後のPHS事業者の末路
本荘修二の実践講座! 社員を動かすウェブ
IT革命で崩れたコミュニケーションの 「お作法」を作り直そう!
山崎元のマネー経済の歩き方
大学生に資産運用をどう教えるか
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
1人当たり時価総額で10~200倍の開き! 日米企業間のビジネスモデルの圧倒的違い
日本を元気にする企業の条件
神戸のライジングスター! 血液検査でお馴染みのシスメックスが 作り上げた“仕組みビジネス”の凄み
公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
“トヨタ黄色信号”はリコール前から点滅!? 株価指標でわかる自動車業界の優勝劣敗
IFRS最前線
リースor購入どっちがおトク!? 煩雑化するリース会計攻略法を探る
インターネット上の“不満の声”
企業に向けられたインターネット上の“不満の声”。うまくさばく秘訣は?
DOL編集部のツイッターを開始
最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。

Business information

この企画について

世界同時不況、先進国市場の成熟化、環境投資負担の三重苦に苦しむ自動車産業。2009年は、淘汰の嵐が吹き荒れそうだ。勝ち残るメーカーの条件とは何か。日米欧大手各社の首脳に聞く。

Recommend 話題の記事

News&Analysis
米国人はなぜトヨタを叩くのか? 日本人が軽視する不信増幅の本当の理由
今週のキーワード 真壁昭夫
「子ども手当」の満額支給に黄信号! 今こそ問う“誇大広告政治”の功罪
日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男
中国人エリートの年収が日本人を逆転! 札束で顔を叩く「高級人材争奪戦」の内幕
SPORTS セカンド・オピニオン
直前に迫ったバンクーバー五輪が 今イチ盛り上がらない原因
ツイッター+αのつぶやき企業戦略
「つぶやき」で顧客満足度UP!の好循環 デルに学ぶツイッター活用の大原則
元銀行マンの准教授が語る 「腹に落ちる」環境学
高速道路、一部無料化へ――タダより高く、怖いものはない!? 「1000円」と「無料」の大きな違い
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
1人当たり時価総額で10~200倍の開き! 日米企業間のビジネスモデルの圧倒的違い
今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ
巷に溢れる悪徳業者を見極めよう! 困らない「葬儀」のイロハを徹底解説
エコカー大戦争!
トヨタや日産の敵?日本企業を惑わす 米新興電気自動車メーカーの本当の実力
はい上がれる人、はい上がれない人――「負け組社員」リベンジの十字路
テレクラ通いで反撃準備? 壮絶ないじめと闘う“反骨の営業マン”

雑誌定期購読のご案内


詳しくはこちら

特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。


詳しくはこちら

1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。


詳しくはこちら

年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。


詳しくはこちら

偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。

お知らせ・ご案内

会員専用ページ開始のお知らせ
7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。