膠着状態が続くホルムズ海峡 Photo:Majid Saeedi/gettyimages
機雷がイランの「非対称戦」で威力
元海上自衛隊掃海隊群司令部幕僚長が分析
米国・イスラエルによるイラン攻撃(以後、2026年イラン攻撃)開始から約3カ月が経過したが、米国とイランとの停戦・和平交渉は行き詰まったままだ。
和平交渉では、ウラン濃縮や核開発停止、ホルムズ海峡の開放などを求める米国に対し、イラン側は、中間選挙を控え「早期撤退」を志向するトランプ政権の思惑を見透かすように、時間をかけてでも有利な和平条件を得ようとしており、交渉の主導権はむしろイラン側が握っているようにもみえる。
米国はイラン攻撃では、空母3隻を含む12隻の戦闘艦、200機以上の3個空母打撃群に加え、強襲揚陸艦、臨検や機雷排除等のための艦艇、精鋭海兵隊、陸軍空挺師団などを中東に集結させ、イラン国内の核施設や軍事拠点を攻撃した。
今回の攻撃は、「史上初の本格的なAI(人工知能)戦争」とも評されるように、情報分析から標的特定、攻撃実行に至るまで統合的にAIを活用している。
イラン最高指導者のハメネイ師殺害でも、通信網や携帯電話システムに侵入し、ハメネイ師の「生活パターン」を把握、活動を予測、さらに攻撃に弱い時間帯を探ったとされ、ハメネイ師の死亡をイランより早く確認したことからも何らかの諜報(ちょうほう)・通信網により把握していたことを裏付けている。
一方のイラン側は主にドローンで、中東周辺国の米軍基地や関連施設、さらには周辺国のLNG(液化天然ガス)施設などを攻撃するなど、圧倒的な軍事力と最新AI活用の米国に応酬してきた。
こうした「非対称戦」の最たるものが、世界の原油の約20%が通過する大動脈であるホルムズ海峡の事実上の封鎖だ。
とりわけ威力を発揮しているのが、機雷敷設だ。筆者は海上自衛隊勤務時代、掃海艇艇長、掃海隊司令および掃海隊群司令部幕僚長などの任務にあったが、イランは、機雷の特性を理解し、その心理的効果などを巧妙に活用しているといっていい。







