「勝者のゲーム」と資産運用入門

歴史的瞬間、日経平均が34年ぶりに過去最高値更新。
1月から夫婦で新NISAを活用し、含み益134万円。
今からでも遅くない。一緒に「億り人」を目指そう!太田忠の勝者のポートフォリオ 第125回

2024年2月27日公開(2024年2月26日更新)
太田 忠
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日経平均は34年2カ月ぶりに過去最高値を更新。NYダウに8年ぶりに逆転

 日経平均株価は836円高、3万9000円台乗せで過去最高値を更新―。

 2024年2月22日。とうとう歴史的瞬間の日が来た。先々週の金曜日に3万8487円まで上昇した後、3日続落してお預け感が強まっていた矢先、エヌビディアの好決算を受けて先週木曜日に日経平均は836円高となり3万9098円で終了。1989年12月29日に付けた3万8915円を抜き、34年2カ月ぶりに過去最高値を更新して史上最高値となった。名目上の単純数字の比較において日経平均はNYダウを8年ぶりに逆転した。

 先週のコラム「過去最高値更新に向けてカウントダウンの日経平均」で次のように述べた。「もし歴史的瞬間が来れば、それは私にとって右肩下がりの証券人生にピリオドを打つ瞬間でもある」。私が証券業界に足を踏み入れたのは1988年4月。大学を卒業して第一證券(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。入社時の日経平均は2万6104円だった。そして翌年1989年12月29日の大納会の日に3万8915円という史上最高値を付けた。最初の2年は絶好調だったが、サクセスストーリーはここまで。1990年から私の転落人生がスタートした。

過去最高値更新が、日本人の投資マインドを目覚めさせる契機になれば

 1990年の年初に不動産融資総量規制の導入と同時にバブルが弾け、9月には2万221円まで急落。わずか9カ月で48%も下落した。これは本当にすごかった。その後も逆風ばかりの展開だった。ボーナスはなくなり、残業代はゼロにされ、年収は毎年激減。そして日経平均は2008年10月28日には6994円まで下落。もはや万事休すである。

 底値を付けるまで19年、底値から這い上がり歴史を塗り替えるまでに15年もの年月を要した。3万8915円を抜き去ったことによって、ようやく私の右肩下がりの証券人生は終わった。非常に感慨深い。34年もの長い歳月を経て、ようやくスタートラインに立つことができたというのが偽らざる実感である。

 過去最高値更新のニュースはメディアでも大々的に取り上げられているが、貯蓄にしがみついている日本人の後ろ向きな思考に「喝」を与えるきっかけになることを願うばかりだ。奇しくも今年1月から新NISAという「生涯無期限で、1800万円の投資元本を、非課税で運用できる」素晴らしい制度がスタートした。「いくら利益を出しても税金はかからない!」「売却した投資元本は翌年から復活する!」。新NISAを使わない手はないと思う。

新NISAの投資枠を夫婦でフル活用し、2月22日時点の含み益は134万円

 ちなみに我が家は夫婦2人で新NISAをスタート初日から目一杯活用している。まず成長投資枠240万円×2人=480万円を全額投資。そして、積立投資枠2カ月分(2月まで)で20万円×2人=40万円、合計520万円を投資している。日経平均が歴史的瞬間の日を迎えた2月22日時点の評価額は654万円である。すなわち、含み益は134万円となっておりリターンは+26%このまま5年間の最速で投資枠1800万円×2の3600万円を使い切る予定だが、この調子でいけばおそらく10年後には「1億円達成!」になりそうだ。

 私は今年60歳になるが、36歳の時に「億り人」(当時はこのような名称はなかった)となり、その後「自由億」(編集部註:資産10億以上の俗称)も達成したが、新NISA口座だけで再び「夫婦2人で億り人」も夢物語ではない。いくら売却益を出しても、いくら配当金をもらっても税金はかからないのだ。通常なら「含み益はそのまま考えてはいけない」「含み益×0.8を利益と考えるべき」という思考をしなくてもいいのである。強烈だ。

日銀総裁が対外の場でインフレ発言。デフレ終焉し、インフレ時代に突入

 ところで、先週は日銀の植田和男総裁の注目発言が飛び出したのをご存知だろうか? 2月22日の衆議院予算委員会において、2024年以降の物価見通しが「23年までと同じような右上がりの動きが続くと予想している」「日本経済はデフレではなくインフレの状態にある」と述べたのだ。日銀総裁として対外的にインフレ発言をしたのは初めてだと思う。これは賃金・物価の好循環が強まっていることを示しており、同時に私が非常に大注目の「マイナス金利解除」の条件が整いつつあることを示唆した。

 要するにインフレの世の中になったのだ。日本の家計が保有する金融資産は2121兆円(2023年9月末時点)あり、そのうち約半分の1007兆円が預貯金である。もちろん、今後マイナス金利解除で預金金利上昇も予想されるが、物価上昇率に比べると全く追いつかないショボさである。デフレ時代なら預貯金の価値は物価下落率分だけ上昇するが、インフレ時代になるとその価値は物価上昇分だけ失われてしまう。仮に年率2%のインフレ率が定着するとしよう。100万円の価値はインフレ率に連動して運用すると5年後に110万円、10年後には122万円になるが、連動しない場合の実質価値は5年後に90万円、10年後には82万円まで目減りするのだ。

新NISAを活用して長期投資を行うことが、インフレ時代の最善の処方薬

 「政府が国民に推進している新NISAなど信用できない」「必ず落とし穴がある」「株式投資をしていない岸田首相が躍起になること自体がすごく胡散臭い」

 このような意見がSNSなどで飛び交っているが、こと新NISAについては間違った認識だ。また「リーマン・ショックの暴落で痛い目に遭った」から株式投資は危ないなどという体験談が大きく独り歩きしている印象も受けるが、かなりの極論のように思う。私自身は1988年からかれこれ36年も株式市場と付き合って大きな下落を何度も経験したが、長期投資なら結局は報われて、大きな果実を得ることができるのが投資の世界である。

 インフレに対応した行動を取れるかどうかが、非常に重要になっている。ちなみに私がダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)とコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。太田流「新NISA活用法」のスペシャル講義動画が完結し、700名近くの会員たちは私のアドバイスに従って新NISAにバッチリ取り組んでおり、大きな成果を出している。読者の皆さんで、これまで資産運用に縁のなかった人たちはぜひ、新NISAを活用して資産形成に取り組んでいただきたいと切に思う。

3月6日20時よりWebセミナー「日経平均最高値更新後の投資戦略」を開催

 「勝者のポートフォリオ」はこのところ連日で過去最高値を更新。投資戦略が的確に決まっており好調だ。「今年は辰年、私の年」と言ったように、辰は干支別パフォーマンスでトップパフォーマー。2024年は「逆業績相場」から「金融相場」へ転換する年に当たり、大いに期待できる。

 3月6日(水)20時より毎月恒例のWebセミナーを開催する。テーマは「日経平均史上最高値更新後の投資戦略」。投資戦略だけでなくこのコラムではお話できない個別銘柄やテンバガー(10倍株)などの話も満載会員限定だが10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加できる。締め切りはWebセミナー当日の14時まで。15時にセミナーのURLを配信する。毎回300名を超えるビッグイベントであるが、太田流『新NISA活用法』のスペシャル講義も完結したので、このところ本当に多くのお申し込みを頂いている。まだ資産運用になかなか踏み出せていない読者もたくさんいると思う。ぜひ「勝者のポートフォリオ」を活用して、大事な大事な第一歩を踏み出していただきたい。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。

 

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