2)海の見える湾岸物件の人気はどうなる?

 湾岸物件はかつてから、好き嫌いがはっきりしていた。周辺が閑散としている、生活に必要な施設が少ない、海からのにおいが気になる、などというネガティブな意見がある一方、若い世代や都会の生活にあこがれる世代からは海が見える物件に多くの支持が集まっていた。現在、東京湾エリアではマンション開発が集中しているが、首都直下型地震の発生が心配されている今、人気はやはり以前よりも落ち込んでいるようだ。

コンサルタントの視点) 
こちらは、今後も敬遠傾向が続くだろう。元来、湾岸エリアは、居住に向いているエリアではないといえる。再開発のイメージが強く、地震との関連では液状化が心配される。敷地の全部、または一部が埋め立て地であるため、物件購入後もリスクを背負うこととなる。売れ行きが鈍化すれば、新規物件の値引きも進むかもしれない。

3)古くからの住宅地が人気になる?

 阪神大震災の少しあと、あるニュータウン(開発団地)で、こんな光景を目にした。一戸建て物件購入のため見学に来た方が営業担当者に尋ねた。「このあたりは、切り土ですか、それとも盛り土ですか」と。

 ニュータウンは山を切り開いて平らに開発した場所だから、ある場所では土地を切り(切土)、ある場所では土を盛り(盛り土)平らにする。盛り土は、土が完全に固まるまでにかなりの時間がかかるから、切り土に比べると地震に弱い(もちろん設計上は安全)。だから、先の見学者は自分が購入する物件はそのどちらかを尋ねていたのだ。

 担当者は詳細な図面を持ってきて、「ちょうど、ここは境目ですね」と言っていた。この境目が一番もろい(くどいようだが、設計上は安全)。結局、この見学者は境目から少し離れた物件を購入されたそうだ。

コンサルタントの視点)
首都圏では人口流入が続いたため、川を埋め立てたり、田畑を住宅街にした。そして現在では、もはやその跡が非常にわかりにくくなっている。実際、海のない県である埼玉県のある市では今回の地震により液状化現象が起こり、住宅が傾いた。液状化は海のそばだけで起こるのではなく、沼などを埋め立てた土地も無縁ではない。購入を検討する物件については、かつてどんな場所だったのかを知って、納得してから購入するべきだろう。

 これは非常に大事なことで、それまで気にしていなかったのかことは非常に問題だ。ただ、社会人になりたての頃、神戸で被災に合い間近でポートアイランドや六甲アイランドが液状化する様子を見たにもかかわらず、浦安にマンションを購入し、今回、被害にあった方もいらっしゃる。こうした人もいるのだから、そのうち風化してしまうのかもしれない。

 しかし、以前よりもその場所の履歴を気にする人が増えることは確実で、ディベロッパーも土地購入に慎重にならざるを得ず、優良な土地に人気が集中することになる。つまり、古くからの住宅地に建つマンションの価格は上がることになるだろう。

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