4)購入する(所有する)か?賃貸か?

 賃貸に長く住むのはもったいないと感じる人が多い。しかし、新築マンションや一戸建て物件は購入した(所有した)その初日にはすでに価値が数10%目減りするといわれている。こうした実態を加味したうえで、どちらがお得だといえるだろうか。これは、当連載でも何度か取り上げた議論だ。年収や住まい方の違いで様々な見解があるだろう。

 しかし、震災後の不安社会においては、不動産物件を所有することは大きなリスクを背負うことになるのは確実だ。実際、そう考える方が増えている。頭の中をよぎる首都直下型地震。やはり今は賃貸で様子を見ようとする傾向が強まっている。

コンサルタントの視点)
この議論は災害リスクを含めて以前からされてきたものだ。しかし、阪神大震災時は、2~3年でこうした不安ムードは解消されたといわれている。研究者のなかには、今回も同様だろうという見解を示している方が多い。私は、それよりも少し短い期間でこのムードは解消されるだろうと予測する。

 今回は震災によるマンション購入の視点の変化について考えた。しかし、今後発生が懸念される東海・南海・東南海地震や首都直下型地震の兆候次第で、状況は大きく変化するかもしれない。

<著者 プロフィール>


吉崎誠二 [船井総合研究所上席コンサルタント、リアルエステートチーム責任者、沖縄産業研究チーム責任者]

1971年生まれ。立教大学大学院卒(比較組織ネットワーク学専攻)。不動産・住宅関連業界がメイン テーマ。電鉄会社・総合不動産企業・ハウスメーカー・マンションデベロッパー・住宅設備メーカーなどの戦略立案から戦術策定を行う。データ分析から導き出 す予測を基にしたコンサルテーションを展開。著書:『行列ができる 奇跡の商店街』『創業者を越える二代目経営者の成長ルール』などがある。

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