資生堂 末川久幸社長インタビュー
「積み残した改革をやり遂げ
国内販売をプラスに転じる」

【第99回】2011年7月1日公開(2011年11月16日更新)

 資生堂が主力ブランドを展開する中価格帯(2000円以上5000円未満)で苦戦しているのは、価格に見合った価値を顧客に伝え切れていないからだ。だから高いコストパフォーマンスを求める顧客から選ばれなくなってしまっている。

 なによりメーカー発想のマーケティングを変えなければならない。たとえば「エリクシール」の商品説明をする場合、当社ではまず科学的な理論・根拠から入っていた。だが、顧客が本当に知りたいのは、その商品が自分にどんな効果をもたらしてくれるのかということ。顧客の個別のニーズを聞き出し、しっかりと製品提案できれば、われわれの製品の持つ価値が顧客にも伝わるはずだ。

 中価格帯の市場は縮小傾向にあるが、高価格の製品と同じ価値がある製品を中価格で買いたい、というニーズは絶対に存在する。市場の縮小は止められる。

 12年から導入する新制度品ビジネスモデル(詳細は前回参照)は、業界初の取り組みであり、大きなチャレンジだ。ネット通販と小売り店とのバッティングを懸念する声もあるが、リアルとネットは共存できる。本を買うときも、ネットは確かに便利だが、本屋に行くと意外な本に出会うこともある。化粧品も同じだ。

 11年からの新3ヵ年計画では、国内販売は11年が横ばい、12年、13年は改革の成果を出してプラスにしたいと考えている。ここのところ前年割れが続き負け癖がついてしまった。そうなると気持ちが萎縮してしまう。前年比プラスにして、元気を取り戻す。(談)

週刊ダイヤモンド

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