大規模マンションは、「常に複数個の売り物件が存在するため、売却しにくい」とよく言われる。ライバルを出し抜いて、高値で早期に売却するにはどうすればいいのか。そこで、賢い売却方法を不動産売却のプロに教えてもらったところ、リフォームやホームステージングなどの差別化戦略を取ることで、ライバルを一歩リードするのがいいという。
まずは他の売り出し物件を見てみよう!
「どのくらいで売れるか」の相場観を養う
大規模マンションを売却する際に問題となるのは、ライバル物件が多数あるかもしれないことだ。複数の売出物件があれば、間取りや陽当たり、内装が露骨に比べられるうえ、買い手に価格交渉の余地を与えてしまうからだ。また売り手同士が値下げ競争をしてしまう可能性もあり、慎重に売却戦略を練る必要がある。
「まずやるべきは、他の売り物件の情報を集めることです」。そう語るのは、不動産コンサルタントとしても活動している、常磐不動産の鈴木豪一郎氏。鈴木氏はこれまで1000件以上の不動産取引やコンサルティングの実績があり、不動産ドクターを自認している。
「物件を高く早く売りたいなら、チラシやネットで競合しそうな部屋の情報を集め、実際に内見に行きましょう」(鈴木氏)
今や、「HOME'S」や「SUUMO」、「athome」といったポータルサイトを見れば、簡単にマンション売却情報を手に入れることができる。物件名で検索すれば、自分の住むマンションがすぐに見つかるだろう。もし物件名で引っかからなかったとしても、地域や駅名で調べれば表示されるはずだ。
見つかったら、価格やリフォーム済みかどうかなど、他の売り物件の状態をしっかりとチェックしよう。売り出したいマンションと比較することで、「どのくらいで売れそうか」といった相場観が養える。
時間が許すならば、買い手のふりをして実際に部屋の内見に行こう。本当に購入する気持ちになって、部屋の傷み具合や明るさなどを見てみるといい。売り出すマンションにリフォームが必要かどうかなど、重要な判断基準となる。
また、あなたが既婚男性であれば、他の売り物件を内見するときは妻との同伴をおすすめする。
「細かいことに気付くのは圧倒的に女性が多い。買い手目線に立って、売り出すマンションとの違いを指摘してくれるはずです」(都内の不動産仲介会社)
例えば、キッチンコンロの焦げ付きやシンクの蛇口の根元についた水垢、窓サッシの汚れなど、男性にはわかりづらい細かいポイントは、女性の方が気付きやすい。靴箱の中の故障や、キッチン扉のゆがみ、トイレの換気扇なども気になる箇所として上がるようだ。
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売却前のリフォームを効果的に使おう!
ホームステージングも高値効果あり
売り出そうとするマンションが他の物件と比べて傷みが激しいようなら、迷わずリフォームしよう。大規模なリフォームは必要ないが、「汚いから」という理由で買いたたかれる心配は少なくなるはずだ。細かいリフォーム方法については以下の関連記事を参考にしてほしい。
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リフォームだけで差別化できない場合は、最近、注目されているホームステージングを取り入れてみよう。ホームステージングとは、売却するマンションに家具や生活雑貨を展示する手法のこと。すでに欧米では一般的なやり方だが、日本でもここ数年、大手不動産仲介会社を中心に浸透してきており、ホームステージング専門会社も存在する。
ホームステージングは、真新しい家具や雑貨で、売却マンションをモデルルームのように見せることで、内見に来た買い手に好印象を与えるのが狙いだ。実際に、購入意欲を高める効果があるとされている。まだ、それほど普及していないだけに、差別化戦略としてはもってこいだ。
「買い手をイメージして、ホームステージングに使うインテリアを変えることで効果は確実に増します」(専門会社)
ホームステージングの専門会社によると、不動産仲介会社の査定価格より500万円も高く売れた事例もあるという。もちろんすべてのマンション売却にあてはまるわけではないが、夢のある話ではある。ホームステージングはマンションの広さや地域によって違いはあるが、20万円からが相場だ。
ちなみに居住中で新しい家具を設置できなくとも、プロのアドバイスでホームステージングは可能だ。使用中の家具を掃除したり、モノを隠したりするだけでも見た目に大きな違いがある。この場合は約5万円から利用できる。積極的に利用したいサービスだ。
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売却は管理会社の系列に任せるのではなく、
営業スタッフの実力や、提案内容で選ぶべき
マンション売却を考える人によくある疑問にも答えておこう。不動産コンサルタントに寄せられる疑問で多いのが、「管理会社のグループ会社の不動産仲介店でマンション売却したほうが良いのか?」というもの。
確かに大規模マンションの管理をしている会社の多くは、グループ企業内に不動産仲介会社を所有している。「どうせなら管理会社と同じ系列同士で売却した方が、メリットが多いのではないか」と思うのは自然な考えかもしれない。
しかし、多くの専門家は違う意見だ。「グループの系列はまったく気にする必要がありません」と否定するのは、不動産コンサルタント事務所・TRコンサルティング・鈴木唯人社長だ。
「確かにグループ企業ではありますが、マンションを造るマンション開発会社と、マンション売却を手がける不動産仲介会社は別の会社です。顧客リストの共有もできませんし、人事交流もそれほど多くない。それよりも、担当する営業スタッフの実力や、提案の内容で仲介会社を選んだ方が良いでしょう」
複数の専門家にも話を伺ったが、ほぼ同意見だった。
また、1社の不動産仲介会社に同じマンションの物件が複数ある場合、どうしても先に売り出した物件を優先しがちになる。なかなか売れなければ、他の不動産仲介会社へと逃げられてしまう可能性があるからだ。
マンション売却を任せる仲介会社を選ぶなら、実力本位で見極めた方がメリットは多そうだ。
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価格に納得いかないならば奥の手!
入札制を取り入れよう
リフォームやホームステージングを活用する費用がない場合、思い切って入札制を取り入れるのも一つの手だ。不動産仲介会社に言って、購入希望者に対して指定した期間内に買い値を入札してもらうのだ。
入札制のメリットは2つある。1つは、価格交渉に持ち込ませないこと。入札があった以上はその金額から下げる必要がなくなり、余計な駆け引きに時間を割かずとも済む。
もう1つは売主側にも、ある程度の納得感が得られることだ。複数の入札があれば、世間の相場がはっきりわかる。仮に入札価格が、売主の希望より低い金額であっても、諦めがつきやすい。後になって、悔やむことも少ないだろう。
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まとめ
大規模マンションの売却4カ条を参考にしよう
最後に、大規模マンションを賢く売るためのノウハウを振り返ろう。ぜひ、記事を参考にして高値での早期売却を成功させてほしい。
| 大規模マンションの売却4カ条 |
| (1)競合するマンションの内見をするべし (2)リフォームやホームステージングを活用して、競合物件を出し抜こう (3)仲介会社選びは管理会社の系列にとらわれずに選ぼう (4) 上記の(2)ができないなら、入札制度も検討しよう |
なお、実際に売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、じっくりと相場を把握し、焦らずに販売していくのがいいだろう。その際、「不動産一括査定サイト」などを活用すると、複数の会社に簡単に査定を依頼できるので便利だ。
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