• 税制改革後も、資金還流の動きは低調
しかし、昨年末以降米国の多国籍企業は正式に海外の留保利益を納税なしに本国に還流させることができるようになった。2018年の前半には1840億ドルが米国に戻った。海外の子会社は米国の親会社に対して4340億ドルの配当を支払ったが、そのうち2500億ドルは新たな利益を財源としていた。現在のペースでいくと、タックスヘイブンにしまい込まれていた再投資された利益の全てが戻るには10年以上かかるかもしれない。
米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、M&A活動は今年前半の底よりは活発化したものの、2016年末の水準あるいは2007年末のピークに比べるとかなり低調だ。企業の配当や自社株買いのための支出は今年前半7000億ドルと過去最高に達したものの、2016年前半とさほど違わない。少なくとも企業は、税制改革によって得たものを時期尚早に分配してしまうことに慎重なように見える。
米国企業は過去数年間に発行した社債の償還は控えているようだが、恐らく税制改革の影響もあり、新規発行も低調だ。2017年第3四半期から2018年第2四半期末までの非金融企業の社債純発行額は1920億ドルで、金融危機終了以降で最低だった(2014~2015年の年間純発行額は5000億ドルだった)。



