• 気候変動エクスポージャーが大きい15社
エクスポージャーの上位15社には、驚くべきことに、米国で最高クラスの経営が行われている企業が含まれる。例えば、14位には資産運用大手T.ロウ・プライス(TROW)が入った。同社は米国メリーランド州ボルティモアの海に面した地域に本社を置く。フォー・トウェンティー・セブンによれば、T.ロウの拠点の3分の2が海面上昇のリスクに、半分以上が洪水のリスクにさらされている。
T.ロウのグローバル業務継続担当バイスプレジデント、ブレイズ・ダンブロージオ氏は、2017年のハリケーン「ハービー」以来、同社が上記のリスクについて検討してきたと語る。同社は100年および500年に一度の規模の洪水を想定し、ボルティモアに対する影響を分析した。ダンブロージオ氏によれば、必要不可欠な事業部門を維持するための準備は十分に整っており、自然災害が発生しても顧客にサービスを提供できる。ボルティモアの南部に復旧用の拠点を設置しており、グローバルなトレーディング用のバックアップ拠点も有する。同社は米国外の全ての拠点で事業継続戦略を策定している。
6位の電力会社コンソリデーテッド・エジソン(ED)は、拠点の4分の1が海面上昇のリスクにさらされており、特にニューヨーク周辺でその傾向が強い。フォー・トウェンティー・セブンによれば、カリフォルニア州の拠点は水ストレスに、テキサス州南部の拠点は熱ストレスと水ストレスに直面している。2012年、同社の顧客はハリケーン「サンディ」の被害を受けた。海水が電気系統に接触し、火災が発生したのだ。配電システムが損傷し、140万件の顧客への電力供給が中断され、コストは4億6000万ドルを上回った。
コンソリデーテッド・エジソンの広報担当者は、サンディ以後、「気候のパターンが根本的に変化しており、顧客と設備を守る必要があるということが明確になった」と語る。その後、同社は配電システム強化のために10億ドルを投資することについて規制当局から承認を得た。同社によれば、この投資によって2013年以降で37万件以上の停電が防止されている。
なお、同じく電力会社で、送電線の出火がカリフォルニア州の山火事の原因になった可能性がある
ランキング1位はクルーズ船運航会社のノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)である。同社はフロリダ州マイアミに本社をはじめとする複数の拠点を有するが、これらの拠点は全て豪雨やハリケーンによる洪水の高いリスクにさらされている。同社は本誌の取材に返答しなかった。2位の半導体大手
3位のネクステラ・エナジー(NEE)は、時価総額ベースが世界最大の電力会社で、太陽光発電、風力発電、バッテリー技術などの持続可能性に関するソリューションに多額の投資を行っている。それでも順位が高いのは、52%の拠点がハリケーンのリスクにさらされているためである。このリスクは、フロリダ州の大西洋岸に位置する数十件の拠点に集中している。同社も本誌に対してコメントを拒否した。
4位の半導体大手
5位の化学会社イーストマン・ケミカル(EMN)は、27%の拠点が米国などで洪水のリスクに、14%の拠点が東アジアで台風のリスクにさらされている。フォー・トウェンティー・セブンは、「洪水によって汚染物質が漏えいした場合に世論の批判を受けるため、洪水は化学会社に対して重大なレピュテーション(評判)リスクをもたらす」と述べる。イーストマンは本誌の取材に返答しなかった。
その他にランキングに入ったのは、ハードディスクドライブ(HDD)大手シーゲイト・テクノロジー(STX)、半導体製造装置大手



