ソニー/パナソニック/シャープの株価は今が底?
プロフェッサー・サカキの特別研究:第2弾家電大手3社が抱える驚愕の真実とは?

【第10回】2012年6月5日公開(2012年6月8日更新)
榊原正幸

12年の清算価値は各社マイナス!

 まず、3社に共通していることをまとめてみます。

 3社ともに、この5年間で清算価値がどんどんと毀損してきています。そして、12年には3社とも清算価値の値はマイナスです。つまり、企業価値がゼロ以下の会社ということになってしまっています。

 もちろん、各社の「ブランド価値」や「蓄積された技術とノウハウ」をどうみるかとか、固定資産をどう評価するかによっても清算価値の値は大きく変わりますが、3社共に、この5年間で資産の価値が明確に目減りしたことは間違いありません。名目BPSの値も、5年間で4割~5割引になっています。

 日本を代表する家電大手3社の大幅な株価下落の基には、こういった資産内容の悪化があるということを見抜かなければならないのです。

 前述の「評価倍率」の数値次第で、清算価値の値は変動するわけですが、ここで注目すべきことは、「3社共に、この5年間で資産の価値が明確に目減りした」ということなのです。

 すなわち、2008年~2012年まで、「評価倍率」は一貫しているのです。ですから、評価の仕方自体は変えていないのですが、一貫した評価基軸の下で、3社共に資産価値が目減りしているのです。

 そしてこのように、清算価値の値がマイナスになってしまいますと、この清算価値の値に基づいて底値を予測することができなくなります

 また、1株純利益(EPS)の値も、現時点のこれら3社のようにマイナスですと、PERも株価に対する説明力を失います。(ソニーとパナソニックは、EPSの今期予想値として、若干のプラスを見込んでいるようですが、EPSの予想値が低いプラスの数値の場合も、PERは株価説明力を失います。)

 そうしますと、株価の底値を予測するには、名目PBRの値と、配当利回りの値を目安にするしかなくなるのです。

 さてそこで、3社について名目PBRの値と配当利回りの面を概観して、底値を予想してみましょう。まずはソニーから。

ソニー:前期配当実績で考えれば現状株価は妥当か

株価:996円(6/4終値)

2012年3月5日~6月4日・日足

 ソニーは13年3月期の配当予想値を公表していませんが、前期の配当実績が1株当たり25円でした。そこで、それと同額の配当をすると仮定すれば、株価が1000円以下なら、配当利回りが税込で2.5%以上になりますから、配当利回りの面から見れば、株価はそろそろ底だといえそうです。(ただし、今期も25円配当が実施されるということが前提になりますが。)
また、株価が1000円以下なら、名目PBRの値も0.5倍を切りますから、その面からも、株価はそろそろ底ではあるでしょう。

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