物件取得による分配金増加余地が大きい
APIは分配金の面でも魅力があります。
予想分配金は、上場決算期の第2期(2012年11月期)に1万2296円、第3期(2013年5月期)に1万5250円となっています(欄外の注1参照)。
12年5月期には固都税が費用化されておらず、そのぶん分配金が上昇(本文参照)
第3期に分配金が上昇する大きな理由は、上場時取得物件が通期で収益に寄与するためです。ただし第3期は、いわゆる「固都税」が費用化されていません。
固都税とは固定資産税・都市計画税(細かくするとそれに償却資産税が加わります)のことです。この影響額は、業績予想の数値を基に計算すると半年で1口あたり2500円程度の分配金減少要因になります(注2参照)。
つまりAPIの巡航ベースの分配金は6カ月月決算で1万2500円程度です。この点については、機関投資家の多くは織込み済だと考えれますが、個人投資家の方は注意が必要です。
ただし、APIは、物件取得による分配金の増加余地が大きいという特徴があります。
新橋プレイス ヤマダ電機LABI新橋生活館が入店
APIの財務方針による上限の借入金比率は60%を原則としていますが、第3期末の想定借入金比率が40%程度と低い水準です(注1参照)。
つまりAPIは物件取得余力をかなり残した状態で上場した銘柄のため、1口あたり分配金の増加余地は十分にあります。
APIは、Jリートとしては初めてとなる1口あたり分配金に連動した資産運用報酬体系を一部採用しています。運営実績がまだない銘柄ですが、この点から見てもAPIは既存上場銘柄をかなり研究して上場してきた銘柄といえるでしょう。
注1:APIが12年6月13日に開示した「平成24年5月期、平成24年11月期及び平成25年5月期の運用状況予想」に拠る。
注2:上記1に開示資料に記載されている固都税の取得原価算入金額487百万円から年額換算し投資口数で除して算出。具体的には487百万円÷164日×365日÷2÷21万4800口。不動産に関しては、1月1日所有者に固都税が課税されるが、売買の通例として売買日を基準に精算する。この場合、経費とできないため不動産の取得原価に組入れることがJリートの場合には通例になっている。
特別研究員:Jリート研究の第一人者 関 大介

早稲田大学法学部卒業。不動産会社財務部、外資系生命保険会社経理部、シンクタンクを経て2007年2月に不動産証券化コンサルティング及び情報提供を行うアイビー総研を設立し、代表取締役に就任。前職では、Jリート市場創設前となる2001年2月から不動産証券化に関するポータルサイトを5年間運営。2006年5月よりJリート情報に特化した「JAPAN-REIT.COM」(http://www.japan-reit.com)の運営を開始し、現在は運営事務局の責任者を兼任。『J-REIT格付けデータブック』(秀和システム社)などの著作がある。



