米国株が、相変わらず非常に強い動きを続けています。
11月1日、米国の主要3株価指数がいずれも過去最高値を更新しました。NYダウは3日続伸し、前週末比94.28ドル高の3万5913.84ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は6日続伸し、同97.526ポイント高の1万5595.915ポイントと連日で過去最高値を更新。そして、S&P500種株価指数は3日続伸し、同8.29ポイント高の4613.67ポイントと、こちらも連日で過去最高値を更新しました。
NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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S&P500指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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米国の相場を押し上げているのは、好調な企業業績です。QUICK FactSetの前週末(10月29日)のまとめでは、米国の主要500社の56%がすでに2021年7~9月期決算の発表を終え、そのうち82%の企業で1株当たり利益(EPS)が市場予想を上回ったとのことです。また、11月1日に発表された10月のISM米製造業景況感指数が、60.8と好不況の境目とされる50を大幅に上回り、さらに市場予想の60.3も上回るなど、好調な経済指標が発表されたことも米国の株式相場の追い風になっています。
衆議院選挙で自民党が「絶対安定多数」を確保したことで、
週明けの日経平均株価は終値で754円高と大幅に上昇!
一方、国内では、10月31日投開票の衆議院選挙で、小選挙区と比例代表を合わせた465議席の配分が決まりました。自民党は選挙前の276議席から議席を減らしましたが、追加公認を含めて261議席を獲得しました。これにより自民党は、衆議院の17の常任委員会すべてで委員長を出したうえ、過半数の委員を確保できるいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保したことになります。つまり、自民党単独で国会を安定的に運営することが可能になりました。また、連立を組む公明党は32議席を獲得しました。
この選挙結果が判明するまで、株式市場は「与党系と野党系の候補が1人ずつで日本維新の会が不在のため事実上の一騎打ちとなる“与野党対決型”の140小選挙区うち、4割強が接戦になっているため、想定以上に自民党が議席を減らすリスク」を強く意識していました。
しかし、その心配は杞憂に終わり、実際の選挙結果は「市場の期待に対するほぼ満点回答」で、ポジティブサプライズとなりました。その結果、11月1日の日経平均株価は、前週末比754.39円高の2万9647.08円と大幅高となりました。なお、翌日の2日は反落し、前日比129.18円安の2万9520.90円でした。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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11月1日に関しては、14時から岸田文雄首相が記者会見を開き、新型コロナウイルス対策を進めるとともに、大型の経済対策を11月中旬に策定する方針などを表明したことも、“ご祝儀相場状態”になっていた日本株への追加の買い材料になりました。
岸田首相は11月1日の記者会見で、現金給付を含む経済対策を11月中旬に策定し、財源になる2021年度補正予算案を年内に成立させることを表明しました。18歳以下に一律10万円相当を支給する公明党公約に関しては、「自民党の主張と重なる部分もある。できるだけ調整し、現金支給の範囲を確定させ、経済対策としてまとめたい」と述べたそうです。
ちなみに岸田首相は、非正規労働者や子育て世帯、学生などを重点的に支援する方針を打ち出しています。また、個人向けだけでなく、企業向けにも事業継続を支援する給付金制度の構築を訴えました。経済対策は数十兆円規模となる見込みで、これは今後の日本株の強力なサポート要因となるでしょう。
日本企業の業績は、二極化しているものの全体的には回復基調に!
ただ、岸田首相の「新しい資本主義」への不信感がマイナス要因に
ところで、日本企業の業績が二極化しているようです。10月29日までに2021年4~9月期決算や2022年3月期予想の修正を発表した451社(新興、親子上場の子会社など除く)について、日本経済新聞社が9月末時点の予想からの修正状況を集計したところ、上方修正は141社、下方修正は64社で、修正企業の比率は約46%と半数近かったとのことです。
上方修正が目立つのは電機で、下方修正については、旅客需要の回復が遅れている運輸業界や、液化天然ガス(LNG)高騰の影響を受けた電力などが目立つそうです。市場では今後、上方修正組が物色され、下方修正組は物色圏外に放置されることでしょう。
ただし、上場企業の2022年3月期の純利益は、前期比2割増益(1700社ベース、会社予想・QUICKコンセンサス)のペースでコロナ禍による落ち込みから回復基調をたどる見通しのため、日本株全体の底上げは十分期待できると考えます。つまり、日経平均株価の下値は限定的と見ています。
その一方で、日経平均株価の上値に関しても限定的と思われます。なぜなら、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」への不信感があるからです。「新しい資本主義」では、「成長と分配の好循環」の実現を目指すようですが、そのうちの「成長」に関する具体策が現時点でははっきりと見えていません。このため、今後策定される経済対策の中身や、その他の政策などで見極めていくしかないでしょう。それまでは、日経平均株価の上値を積極的に買っていくことは難しそうです。
いよいよ11月3日にFRBがテーパリング開始を発表か!?
株式市場すでに織り込み済みだが、発表前後の値動きには要注意
米国では、FRB(連邦準備理事会)が11月3日、FOMC(連邦公開市場委員会)の結果を発表する予定です。FRBは、前回9月のFOMCでテーパリングの早期開始を強く示唆しているため、ほぼ間違いなく11月中旬からのテーパリング開始を決めるでしょう。
テーパリングでは、中央銀行による購入額を国債は月100億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)は月50億ドルずつ減らすとの予想が多いようです。もちろん、すでに市場はこれを織り込み済みのはずです。しかし、テーパリング開始の正式決定を受け、足元で好調に推移している米国の株式市場の動きに変化が生じるか否かを見極める必要があります。
日経平均株価が25日移動平均線を割り込むまで、
積極的にリスクを取って収益を獲得しよう!
当面の投資戦略としては、“決算跨ぎ”は避けるべきです。そして、好業績が確認できた銘柄に投資先を絞り込みましょう。つまり、「決算リスク」を可能な限り抑える運用をおすすめします。
なお、不安定だった衆議院選挙前に比べると、自民党圧勝を受け、日本株は劇的に安定感を取り戻しました。このため、積極的にリスクテイクして、株式の組み入れ比率を大胆に引き上げましょう。
日経平均株価については、「現在、下降中の25日移動平均線(短期的な日経平均株価の方向性を示すライン)が上昇に転じるまで、強気転換は時期尚早」との考えには変更はありません。
しかし、25営業日前の終値を考慮すると、日経平均株価が現状のレベルで推移するなら、早晩に25日移動平均線は上昇に転じてくる見通しです。つまり、テクニカル的にも日経平均株価は安定さを回復することでしょう。
今後、日経平均株価が終値ベースで25日移動平均線を割り込むまでは、強気に攻めて投資収益の獲得に邁進してください。
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