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日本の「コンテンツ株」が注目されている理由とは? スマホ&デジタル化アニメやゲームなどの海外展開によって「IPビジネス」で儲けやすくなった仕組みを解説!

ダイヤモンド・ザイ2022年1月号の巻頭特集は「米・中のIT大手企業が狙っている!【コンテンツ株】大研究」! コロナ禍で自粛生活が続いた世界で、日本のゲーム・アニメ関連企業に追い風が吹いている。この特集では、海外からも熱視線を浴びる日本の「コンテンツ株」の魅力を解説。今回は、この特集から日本の「コンテンツ株」が注目される理由を分析した記事を公開!

デジタル化によって”儲け方”が多様化し、コンテンツ産業が成長!
米国や中国などのIT企業が日本のコンテンツ企業に注目している!

 累計発行部数1億5000万部の漫画『鬼滅の刃』を原作としたアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入が、510億円を超えた。この作品の爆発的ヒットにより、株式市場では日本のコンテンツ産業への注目度が高まっている。その証拠が以下の図だ。

 これは、日経平均株価とアニメ制作会社の東映アニメーション(4816)、出版大手のKADOKAWA(9468)の株価の動きを並べたもの。日経平均株価と比較して、2銘柄の株価が急騰していることがよくわかる。ただし、この2銘柄は『鬼滅の刃』とは直接関係のない企業だ。それでも急騰したのは「日本製コンテンツへの期待から、海外投資家など、多くの投資家が買ったようです」と、楽天証券経済研究所の今中能夫さんは分析する。
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 「『鬼滅の刃』以外で、今も高収益をあげている作品のひとつに『ドラゴンボール』があります。その映像や商品化の権利を持つ数社のうちの一社が東映アニメーションで、前期の海外版権の売上高は、5年前の2倍にも相当する約160億円。その売上の多くがドラゴンボール関連です。こういったコンテンツが大きな収益をもたらすIP(※知的財産の考案者などに認められる使用権などの諸権利のこと。エンターテインメント業界では、知名度や過去の実績が顕著な作品タイトルやキャラクターなどを指して『IP』と呼ぶ)として認知され、価値が向上しています」(今中さん)

 大手出版社で唯一上場しているKADOKAWAも、マンガやライトノベル、アニメなどのIPを多数保有しているため、投資資金が集中したとみられる。

 しかし、どうしてIPが巨額な利益を生むようになったのか? それは「スマホの普及によるデジタル化の進展の影響が大きい」と、東海東京調査センターの栗原智也さんは解説する。

 「これまでにも、一つのIPがコミックやアニメ、ゲーム、グッズ、舞台、音楽など、マルチに展開されるようになっていました。それに加えて、昨今デジタル化も進展したことから、いろいろな形での配信が可能になり、市場規模が拡大したのです」(栗原さん)

 さらに、マルチメディア化は人気の長期化にもつながっている。UBS証券の福山健司さんによると、「かつては、アニメの放送期間中の3カ月を過ぎると、IPの人気はピークアウトしていました。それが、モバイルゲームやイベントなどで、興味・関心が維持されるようになっています」。そのため、米国や中国の大手企業が、日本製IPを欲しがっているのだ。

「任天堂」や「ソニーグループ」を筆頭に、
IP力の高さからグローバルに知られる日本企業は多い!

『鬼滅の刃』のヒット以前から、日本のコンテンツ企業のグローバル化はすでに進んでいた。下の図は「海外売上高比率」を横軸、「IP力」(国内外で認知度が高いIPの保有数をもとに算出)を縦軸に、日本のコンテンツ企業をマッピングしたものだ。

 この図を読み解くにあたり、基準にしたのが海外展開の先駆的企業であるサンリオ(8136)サンリオの海外売上高比率は25%だが、今の日本には、そのサンリオを上回るグローバルなコンテンツ企業がたくさんあることが見てとれるだろう。

 その背景には、米国の大手IT企業の躍進がある。たとえば、アニメ。2000年代前半まで、米国で放映されていた日本アニメは毎年10~20本程度に過ぎなかった。しかし、動画配信のネットフリックスやアマゾンなどの影響で、2016年頃から日本で制作されたアニメの約6割、200本以上が米国で視聴可能に。これが「アニメの権利を持つ企業の海外売上高比率が高まった要因」(SBI証券・田中俊さん)だという。

 さらに、「iPhoneなどの普及でゲームに課金できるようになり、IPの収益性がより一層高まった」(福山さん)こともポイントだ。たとえば、2004年にPCゲームから始まった『Fate』シリーズは、ソニーグループのアニプレックスによって数多くのアニメ作品がつくられた。そのスマホゲーム『Fate/Grand Order』は、配信が開始された2015年から現在までの総収益が、4500億円超とみられている。

 稼げるビジネスであるだけに、最近では競争も激化している。中国の大手ゲームメーカーは「ひとつのゲームタイトルに100億円以上の開発費をかけることも」(田中さん)あり、日本企業は資金力では到底及ばなくなっている。また、SNSで流行が次から次に生まれるため、長く愛されるIPづくりも課題とされる。だが、この状況は有力IPを持つ企業にとってチャンスだ。

 「IP乱立の時代だからこそ、歴史あるIPの価値が高まっています。『ポケモン』や『ガンダム』は、いつも変わらずにあるから、安心して作品を楽しめる。そういった人気キャラを使ったIP権利ビジネスだけでも、高収益をあげられる」(福山さん)

 莫大な資金力がある一方で、GAFAMは歴史的IPをほとんど持っていない。だが、日本のコンテンツ産業は歴史が長く、無数のIPがある。これが武器となるため、GAFAMに飲み込まれず、むしろ日本製IPが世界を席巻する可能性があるというわけだ。
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