「共通テスト」に関する三つの視点
1月14日・15日に3回目の大学入学共通テストが実施される。1回目はコロナ禍における大混乱の中で行われた。コロナ禍が続く中、2回目となる昨年度はうまくいき、3回目も大きな混乱なく実施されることが期待されている。これまでもこの共通テストに関しては触れてきたが、ここで改めてまとめておきたい。大きく三つの視点から見ていこう。
まず、3回目は“やさしく”はならないだろう。2回目が難化することについては、事前に指摘してきた通りとなった。大学入試センターは、平均点が大きく低下した数学の出題に関して高校から意見聴取した。平均点が低かったことの指摘に関しては「計算量が多かったので調整する」と対応している。
だからといって、センター試験のような出題に回帰することはない。出題方針を改めるなどという気持ちはさらさらないからだ。類題や予想問題は作成しにくいため、過去問では必ずしも対策できない。問われているのは読解力、学力の三要素で指摘されている学習に向かう力=“やる気”である。できなかったからといって、ショックを受けることはない。
次に、これもたびたび触れてきたことだが、共通テストを受ける約51万人の中には、すでに年内入試で合格を得ているため、それを利用して改めて一般選抜を受けるつもりのない受験生が結構な数、受験会場には座っている。つまり、あなたのライバルではもはやない。「最後まで頑張れ」という学校の方針で受験させられている生徒の数は今後も増える一方だろう。
付け加えれば、2023年度では、年内入試で結構落とされている。特に総合型(旧AO)選抜の倍率上昇で増えた不合格者が一般選抜に押し寄せてくるので、22年度よりも倍率が上がる可能性がある。だからといって、焦る必要はない。年内入試で合格を得られなかった受験生は、一般選抜に備えているわけでもないからだ。私立大への出願は共通テストよりも前に終わっている。一般選抜をメインに据えている受験生には、アドバンテージがある。年内入試で残念ながら不合格だった受験生は捲土重来(けんどちょうらい)を期してもらいたい。