彼らは、ほとんど無意識のうちに、私が言ったことと逆のことをしているのだ。実は、マーケットの9割がこのような「欲望」と「恐怖」に流されて行動する投資家で溢れている。
これに対して、市場の中には、自分の中にいる愚か者の欲望をコントロールし、恐怖心に打ち勝つことのできる投資家が1割程度いる。これらの洗練された投資家は、いつも愚か者の投資家が恐怖におののいて底値を投げ売ってきたときに、勇気を振り絞って「そんなにいつまでも下がり続けるはずがない」と買い向かい、高値に飛びついてきたときに「そんなにいつまでも上がり続けるわけはない」と、喜んで株を売っているのである。
私も最初の頃はなかなか勢いよく上がっている株を無視することはできなかったが、それをピタッとやめた途端、勝ち癖がついてきた。まずは心静かに欲望を沈めること、上がっている株には目もくれず、下がっている株に注目するのである。
そして最大の買いチャンスは、年に2~3回訪れる日経平均が500程度下落する暴落の日である。ここでも愚か者の投資家は、絶好の買い場にもかかわらず、売ってしまうのである。大幅に下げているということは、大幅に上げる確率が増しているのであるが、そんなことすら見えない。
まずは自身の欲望と恐怖心のままに行動しないこと、これがマーケットの勝利者になるために最も鍛えなければならない資質なのである。
実は、銘柄選びや、テクニカル分析などはマーケットで勝つためにはそれほど重要な要素ではないということに、多くの投資家は気づいていないようだ。
<今回で当連載は最終回となります。ご愛読ありがとうございました>



