去る5月22日にニューヨークマーカンタイル取引所の原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)が1バレル135ドルという史上最高値をつけた。ほかの商品や穀物なども軒並み上昇しており、株式市場から避難した投機マネーが原油や穀物価格を押し上げている。

どう考えても株式市場に
お金が流れ込むしかない!

 もともとWTI先物市場はせいぜい15兆円ぐらいの市場規模しかないのだが、サブプライムショック後、投機資金が流入し続けているようだ。実は世界の原油生産額は年間300兆円程度であり、株式市場の時価総額7000兆円や債券市場5500兆円からすると、随分市場規模は小さいのである。

 一方、FRBやECBによるサブプライムショック後の利下げや大量の資金供給は、過剰流動性となって株式市場になだれ込んでくるはずである。

 また、原油価格高騰で膨張したオイルマネーも行き場を捜して、虎視眈々とチャンスをうかがっている。世界の政府系投資ファンドSWFの総額は365兆円にも達しているし、年金資金は2100兆円もある。ヘッジファンドの規模も約200兆円と言われている。

 これらの資金を運用できる市場はどこを捜しても、実は株式市場しかないのである。

米欧ともにダメなら
残るは日本だけ

 ニューヨークは2130兆円の時価総額を誇る巨大マーケットであるし、日本市場は540兆円の世界第2位の市場である。そして、ロンドンは458兆円の世界第3位のマーケットなのだ。ほかにも中国や香港があるが、中国では政府が株式の9割を保有しているため、東京に比較すると著しく流動性に劣るのである。