マーケットを動かしているものは何だろうか? 景気動向だろうか。企業業績だろうか。為替だろうか。金利だろうか。それとも、個別のニュースや材料だろうか。

 実はズバリ言うと、「欲望」と「恐怖」という2つのものによって動いているに過ぎないのである。

自分の中の愚か者に
勝つための9つのルール

 価格を決めるのは、市場に参加しているトレーダーの私利私欲と、下げたときの恐怖から逃避しようとする自爆行為や自殺願望なのである。来る日も来る日も値上がりする市場や個別銘柄を見て、相場の最終局面で飛びついてしまうのも、欲望のなせるワザであるし、毎日下げ続ける株価を見て、我慢できずに一番安い日に叩き売ってしまうのも、自殺願望の強い自分のせいである。

 つまり、マーケットで勝てないすべての原因は、自分自身の中にいるもう一人の愚か者の仕業なのである。

 原因さえわかれば、あとは簡単! 内なる愚か者をとことん鍛えればいいわけだ。愚か者には、まず絶対に守るべき決まりをつくってやるのが一番いい。

 例えば、

(1)投資資金のうち、買い付け枠を最大5割以内に設定する

(2)1銘柄のみに集中投資をしない

(3)買うときは逆張りで、最低買い付け単位(例えば1000株)を3回に分けて買い下がる

(4)下げた日に株を買う

(5)上げた日に売る

(6)損切りは買値から2割で確実に行う