だが、この特定財源を中心とした自動車関連の重税が、自動車のユーザーや自動車メーカーにとって重い負担となってきた側面は見逃せない。先週の本欄でも紹介したが、排気量1800cc、車両重量1.5トン未満の自動車を180万円で購入して、11年間保有した場合、日本のユーザーの税負担額は81万4000円(取得時の消費税9万円を含む)と、米国(セールスタックス15万5000円を含めて17万4000円)の4倍弱、フランス(付加価値税35万3000円を含めて40万円8000円)のほぼ2倍に達するという業界試算も存在するほどだ。
そもそも、特定財源は1960年(964億円)以前は、1000億円に満たなかった。ところが、1975年に1兆円を、1985年に2兆円を、1994年に3兆円をそれぞれ突破した。1996年以降の12年間は3兆4000億円から3兆6000億円という高い水準で推移してきた。
対照的だったのは、国内の自動車販売だ。こちらは1990年の777万台をピークにジリ貧に陥った。1997年は前年比6.7%減少の535万台(業界団体調べ、軽自動車含む)まで落ち込んだ。しかも、この3ヵ月は「先進国で異例」(自動車業界)という事態が勃発した。ストックベースの自動車保有台数が3ヵ月連続で0.1~0.2%のマイナス(全国ベース)を記録したのである。
自動車保有台数も減少に転じ
財源維持の前提が崩れた
ちなみに、世界の自動車市場は成長を続けている。1990年ごろの年間販売台数が1200万~1400万だった米国は、2005年に1740万台を超えた。EU(欧州連合)も加盟国の増加で市場が膨らみ続けているし、中国市場は10倍近い規模に急成長したという。つまり、トヨタ自動車やホンダといった自動車メーカーにすれば、日本の製造工場を縮小し、成長力のある海外に拠点を移した方が収益面で有利な状況があるわけだ。ものづくり日本の代表選手の自動車産業が空洞化し、雇用や投資が縮小するとすれば、国内経済に与える打撃の大きさは計り知れない。
にもかかわらず、福田政権は、重税の道路特定財源を一般財源化して取り続けようというのである。角を矯めて牛を殺すとは、このことだ。これほど、経済オンチというべき施策はないだろう。結論から言えば、道路特定財源は、一般財源化よりも、廃止、もしくは大幅な税率引き下げ(減税)によって、国内の自動車販売市場の活性化を促すことこそ重要となっている。



