そもそも、「10年で59兆円」を費やすという現行の道路整備中期計画の前提は、国内で保有される自動車が増え続けて、2020年に交通量がピークを迎える、ということだ。国土交通省は、この道路整備中期計画の前提となる需要推計を2002年に公表した。ところが、2005年段階で、すでに実績が推計より104万台、5%下回っているという。専門家の間では、「推計が過大だ」との批判が強い。2020年を待たずに、自動車の保有台数の減少が始まったことは、道路整備計画の縮小や税負担の軽減を不可避の課題として突きつけた格好だ。
自動車市場再生のためにも
減税か廃止が求められる
また、福田首相の、道路特定財源を財源として手放さず一般財源化して使い続けようという“御用錦思想”は、最初に将来の一般財源化を宣言し、安倍晋三、福田康夫両政権に受け継がれることになった、小泉純一郎政権の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(骨太2006)」にも反していると言わざるを得ない。というのは、骨太2006は、「道路特定財源について、一般財源化を図ることを前提に、早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめる」としているからだ。福田政権は、納税者が理解できる一般財源化の青写真をまったく説明できていない。
自動車保有者にメリットのある道路整備を約して課税してきたのが、道路特定財源である。ところが、最近は、需要予測を大幅に下回る道路の整備が目立ち、自動車保有者の利便が無視される例が後を絶たなかった。自動車保有者は、道路特定財源が、用地取得に係る不動産会社、建設に従事するゼネコン、利権に群がる官僚、政治家のメリットにしかならないと悟ってしまったのである。
一般財源化は、基本が「大きな政府」を助長するものに他ならず、道路族、道路官僚の代わりに、厚生労働、文部、財政などの族議員・官僚を太らせる効果しか期待できない。
これまでも主張してきたが、今こそ、一般財源化ではなく、税そのものの廃止・縮小と納税者への還元、国内自動車市場の活性化といった視点での改革が求められている。



