
トキは知ってる、ヘブンは知らない
その頃、トキは家にいる。
縁側に座るトキのけだるい姿勢は、おなかが大きいからというのもあるだろうし、浮かない心情も感じられる。このポーズも時代劇の女性の風情が漂う。
妊娠したトキは、正々堂々と(?)労働禁止されていい身になったといえるだろう。クマ(夏目透羽)はヘブンの部屋の掃除中にうっかり本を散らかしてしまう。「奥様いかんですよ」と拾おうとするトキを止める。
トキがヘブンの本をめくっていると、「奥様、わかるとですか」とクマが興味津々。なにしろ英語がずらりと並んでいる本だ。
「わからん」「ひとつもわからん」とトキはつぶやく。ただ、ヘブンが一生懸命書いていたことだけは誰よりも知っている。
熊本編になってから、トキは「(自分は)学がない」とコンプレックスをしきりに口にするようになった。
インテリのヘブンの妻として、自分ははたしてふさわしいのか、気に病んでいるのではないだろうか。そんなときフィリピン行きの話が来ているとあれば、自分は不要になるのではないかと心配であろう。
すでにフィリピン行きの話が来ていることを知っているトキをヘブンは散歩に誘う。
ヘブンの好きな高台である。
妊娠しているトキには身体に負担がかかるのではと視聴者は思うが、何も知らないヘブンなので、仕方ない。
まあ、運動も大事だとは言うけれど。
ヘブンはここでフィリピン行きの話が来ていることを話そうとしていたわけだが、結果的に、トキが妊娠していることを知ることになるのだ。
この日は風が強く、からだが冷えてしまうのではと視聴者は心配になる。
ヘブンは思いきって「私、日本――」と言い出す。
日本で生きていく? or 日本で書くことない?
聞いていたトキは精神的にしんどくなり、座り込んでしまう。
驚いたヘブンはトキを背負い、病院に行こうと駆け出そうとする。けっこう荒々しくて心配になるが、妊娠していることを知らないからしょうがない。







